ティーチングプロにとって辛いこと③
プロによって教え方はそれぞれ違います。
エラーの根治を目指すプロなのか、対処療法をするプロなのかによって、貴方の目指すゴルフは変わります。
私はゴルフの医者です。
私が目指すのは、生徒(患者)さんのエラーを根治することです。
原因がどこにあるのか?を突き止め、その人の個性を活かしながらエラーの元を直してゆく。
原因がスウィングなのか?クラブなのか?メンタルなのか?を突き止めた上で、その原因そのものを直そうとするのが私の姿勢です。
もちろん直せない症状もありますが、可能な限り根治を目指します。
例えて言うなら『風邪をひいて、熱が出て、咳が出て、鼻水が出る』のに対して、風邪そのものを取り去ろうというものです。
それに対して、『解熱剤を出して、熱だけを取る』というプロもいます。
そのどちらが良い悪いではありません。根治を目指すプロもいれば、対処療法をするプロもいるということです。
貴方が必要とするタイプを選べばよいのです。
もし『自分のスウィングを、自分に合った形でもっと上手くなりたい』とお考えでしたら、根治を目指すプロを選んだ方がいいでしょう。
そうではなく、『今のショットを何とかしたい。とにかくOBにならなければよい』といういささか極端ですが、こんな希望をお持ちであれば『とりあえず何とかしてくれるプロ』を選ぶといいと思います。
解り難いかもしれませんね?
こんな例を挙げてみましょうか。
左への引っかけが直らない人がいるとします。仮にAさんとしましょうか。
Aさんの引っかけの原因は、頭が左に残りすぎて、右サイドが伸び上がり、アウトサイドインの軌道でスウィングしているとします。
私ならAさんに、右サイドが伸び上がらないよう、右股関節の上まで左肩を入れるように指導します。
もちろんすぐにできるわけではありませんから、直るまでには時間がかかります。
しかし、『回転不足による引っかけを直す』という基本は、キッチリと身に尽きます。
では仮に、Bさんというプロがいるとします。
Bプロは、この人に左を向いて構えさせ、右腰から始動することを教えました。
初心者が右腰から始動すると、大抵はトップで右ひざが突っ張ってしまい、インパクトでフェースが開きます。
つまり、左への引っかけは直さずに、左に打ち出してスライスで戻すことを教えたのです。
この患者さんのAさんは、とりあえず左へまっすぐ抜けるのではなく、フェアウェイに戻ってきたと喜ぶでしょう。
しかし、Aさんの技量が上がってきたとき、『左への引っかけ』は直っていません。
つまりすべての球を引っかけて打つことになります。
もちろん前回のコラム、『曲がらない球はありません』でも言いましたように、持ち球としてなら問題はありません。
しかし、問題を残したまま現象だけが上手くいったからと言って喜んでいいのでしょうか?
そして最大の問題となるのは、『応用が利かない』ということです。
応用とは、基本と基本の組み合わせです。
何か奇想天外なことをするのが応用ではなく、基本を組み合わせることによって可能となる技が応用なのです。
私の経験したゴルフ以外のスポーツで言えば、第1回ラグビーワールドカップで優勝したニュージーランド(オールブラックス)がこの基本を完璧にやってのけたチームでしょう。
いるべき人が、いるべき場所に、いるべきタイミングでいる。
この基本を完璧にやってのけたからこそ、華麗なサインプレーとか個人技が活きたのです。
さてこのAさんですが、基本である『右サイドの伸び上がり』を直さずに進めば、どこかで行き止まりにぶち当たります。
右ひざが突っ張っているわけですから、ダフリやトップも必然的に多くなります。
100を切るだけなら、多少のダフリやトップが出ても何とかなりますが、80台、あるいは70台を目指すとなるとチョッと難しいでしょうね。
もちろんエラーをそのままにしてシングルになれないというわけではありません。
事実なっている方もおられます。
しかし、スライスオンリーではインテンショナルフック(意図的に右から左に曲げるショット)は打てません。
持ち球の項でも触れましたが、島田幸作先生も『いつかは持ち球以外の球を打たないといけない日が来る』とおっしゃっていました。
90台ならスライスを持ち球として、それだけでやっていけますが、さらに先を目指そうとしたとき、基本ができていなければ応用は利きません。
前の方でも述べましたが、根治を目指すティーチングプロに習うのか? 対処療法をするプロに習うのか?は、貴方自身の必要性に応じて選べばいいのです。
もし『王道を目指す』のであれば、根治を選んだ方がいいでしょう。
その選択権は貴方自身にあります。
ご自分に合った先生を選んでください。
もし『自分のエラーを根本から直したい』と思われるのであれば、一度オーシャンゴルフアカデミーをお訪ねください。
まずはお気軽に無料体験レッスンにお越しくださいね。