クラブが合うとスウィングも変わります

深田洋史

深田洋史

テーマ:オーダーメイドのゴルフスウィング

スウィングの分析
アンダースペックなクラブを使っていて、ぴったり合ったアイアンに換えたAさんの場合
年齢だけで『スチールシャフトは振れない』と思い込み、軽すぎるクラブを使っていたAさんが、オーシャンクラブ製のアイアンに買い替えた結果

今回は、前回のOさんと一緒にラウンドレッスンさせて頂いたAさんです。
Aさんは60代前半で、昔、関東でオーダーメイドのクラブをお買い求めになられており、オーシャンクラブに『スウィングを診て欲しいのと同時に、クラブの診断もして欲しい』とお越しになられました。
私が診たところ、Aさんのクラブは約10年前に購入されたもので、シャフトもヘッドも当時のAさんには軽すぎました。
今の年齢のAさんにさえ軽すぎるのです。
そこで今回は、朝の練習場で振っていた、それまでのアイアンに合わせたドライバーのスウィングと、新調したアイアンのスウィングを2つとも載せ、それぞれについて解説していきます。

1は、普通の落ち着いたアドレスです。傾きもなければ、おかしな癖も見受けられません。
しかし2では、紫の矢印で示したように、右ひじが曲がらず手で押し上げ始めています。
3を見ると、明らかにアドレス時よりも手首が伸びているのが分かります(白の線で囲った部分)

4では左腕が地面と平行なところまで上がっているのに、シャフトは90度まで上がっていません。
またフェースもかぶって上がっています。やはり手で押し上げている影響が強く出ていますね。
5では手で押し上げているため、赤い線まで来ていないといけない体重が、青い線までしか動いていません。
6ではまだ手で上に押し上げようとしています(緑の矢印)
クラブが軽すぎるため、どうしても自分の力で押し上げようとしてしまうのです。

7のダウンスウィングの入りはまずまずの感じです。やはり今まで使ってきたクラブなので、タイミングが取りやすいのでしょう。
しかし8になると、手で上げた反動で体重が青い線の所にとどまったままになっています。
赤い線で示したように体が回転するはずなのですが、テイクバックで廻っていないため手だけで下ろしてしまっています。
ですので9ではフェースがかぶり、低い左への球筋になってしまいます。

10を見ると、フェースがかぶって上から入っているのが良く分かりますね?
体重も青い線で示したように、逆くの字になっています。
11では右手のひらが上を向いています(紫の線で囲った部分)
これは体の回転で廻すのではなく、手でこねて振りぬこうとしているせいで起こっています。
だから12では、体はインパクト時の角度にしか回っていないのに、手だけを振ろうとしているため右手のひらがまだ上を向いています。

13では、手で押し上げた反動で緑の矢印のように手でフィニッシュまで持って行こうとしてしまっています。
そうなると、14のように右腕が地面と平行の位置に来ているのに、まだ左ひじが見えません=曲がっていません=体から遠いところを通っています。
15では、振り切れずフィニッシュが途中で止まってしまっているのが良く分かりますね?


今度は新しくなったアイアンでのショットです。
今度のアイアンは85グラムの軽量スチールシャフトで、ヘッドも普通の重さです。

1では左腕が地面と平行になったところでシャフトは90度に上がっています。
これは重量を重くしたことで、テイクバックの反動が使え、クラブが引っ張ってくれているからです。
またドライバーではかぶっていたフェースの向きがが、左手の甲と揃っています。(紫の線で囲った部分)
2では赤い線(本来あるべき位置)と青い線(実際の位置)がほぼ重なるほど、良く体が廻っています。
やはりクラブが引っ張ってくれているおかげですね。
3では、やや前の癖が出て少し逆くの字になりかけていますが、だいぶんマシです。

4では右腰がややスウェイし、軸が青い線のように傾いていますが、左手の甲とフェース面の向きはきちんとそろったままです。(紫の線で囲った部分)
5になると、ドライバーの時とは違いダウンスウィングの始動が、クラブが上がり切る前から始まっています。
左斜め下方向(黄色い矢印)に向かって、既に動き始めていますね。
6では左への踏み込みが始まり、黄色い矢印方向に回転を始めています。
ドライバーでは全く見えなかった動きです。

7では手首のタメが素晴らしいです。(紫の線で囲った部分)
重くしたために、クラブ自体の位置エネルギーが増え、勝手にタメを作ってくれているのです。
体重も赤い線と青い線が重なるようになっており、申し分ありません。
8では下半身から回転がはじまっており、手首のタメも維持されたままです。
9ではフェースがボールに向かってインサイドから下りて行っているのが良く分かりますね?
コックもほどけていません。

10では素晴らしいシャフトのしなりが見て取れます。
11でも赤い線と青い線が重なるほど良い体重移動ができています。
クラブの重みが体の回転を助けてくれているのですね。
12では、右手のひらが上を向いていません(紫の線で囲った部分)
しっかりとターゲット方向に振れているのが良く分かります。

13を見ると、ドライバーではまだ上を向いていた右手のひらが完全に後方を向いています。
手で振っているのではなく、体の回転で振れているから軸と手の動きが一致しているのです。
14から15にかけての体重移動とクラブの位置はほぼ完ぺきと言っていいでしょう。
特に15では、ドライバーでは止まっていたフィニッシュが、まだ向こうに行こうとしているのがお分かりになると思います。
スウィングの勢いそのものが、ドライバーとは比べ物にならないくらい強いです。

長くなりましたが、Aさんはこの日『最近出たことがないスコアが出ました!』と喜んでおられました。
その大きな原因は、今までのクラブでは100ヤードを練習場では届くピッチングウェッジで打っても届かず、バンカーに入れてしまい、そこから何打か余計にかかっていたものが、今回のアイアンでは100ヤードをアプローチウェッジで打って、きちんとグリーンに乗るようになったことだとおっしゃっていました。
『今まで軽い方が飛ぶと信じていました。でも重くしたのに却ってよく飛ぶというのは、まさに目からうろこが落ちる思いでした』ともおっしゃっておられましたね。
ドライバー編とアイアン編のスウィングを比較して頂けば一目瞭然ですが、プレーヤーに合ったクラブというのは、これほどスウィングそのものを変えてくれることもあるのです。
これが『バッグの中に家庭教師がいる』なのですね。
帰りの車の中で、とてもうれしそうに話されるAさんの表情を見て、私も幸せな気持ちになれました。

皆さんもスウィングやクラブで悩まれたら、一人で悩んでいないでオーシャンゴルフアカデミーをお訪ねください。
きっと晴れやかな気持ちで帰って頂けるようにできると思います。
まずはお気軽に無料体験レッスンにお越しくださいね。

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深田洋史(スポーツインストラクター)

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