飛距離が出なくなった高齢者が目指すゴルフとは?

深田洋史

深田洋史

テーマ:飛距離の出なくなった高齢者が目指すゴルフ

スウィングの分析
ブランクがあり、飛距離が出なくなった高齢のMさんの場合
筋力が落ち、関節の可動域が小さくなった方のゴルフは、飛距離よりもアプローチです
アプローチが上手くいけばスコアになりますよ

今回は76歳のMさんです。
Mさんには10年強のブランクがあり、飛距離もめっきり落ちています。
しかしこの日、Mさんは48:51=99で、生涯で初めて100を切られました。
その理由は明らかで、アプローチが上手くいき、1パットのボギーや2パットのダブルボギーで収まったからです。
今回、①ではいかにしてMさんが100を切れたのか?を文章で。
②では写真を使って、大きなミスをしてしまった時のスウィングを解説していきます。

①:いかにして100が切れたか?
Mさんのドライバーの飛距離は、140~150ヤード。
フェアウェイウッドで100~120ヤードで、7番アイアンは約90ヤード。
某有名メーカーのクラブをお使いでしたが、全体に重過ぎ立たため、この日はヘッドはそのままでシャフトをもっと合ったものに換装したクラブを使われました。
余談ですが、今日現在Mさんのクラブは、このシャフトに新しく特注したヘッドを取付けたMさん専用モデルになっています。
コースは太平洋クラブ有馬コース。インからのスタートでした。
パー5で始まりましたが、ここを5オン2パットのダブルボギーで切り抜け、次のパー4は4オン1パットのボギー。ここは4打目のアプローチ(約30ヤード)がピン下3メートルに乗り、綺麗に真ん中から入りました。
その次のパー4は、3オン2パットのボギー。このホールはドライバーは140ヤードくらい。セカンドも100ヤードくらいと、あまり当たりは良くありませんでしたが、無理をせず3打目を7番アイアンでフルショットしたところ、ピンの横3メートルくらいに乗り、曲がるラインでしたので無理をしてパーを狙うのではなく、ファーストパットを寄せに行ったところ、カップの淵まで寄るナイスパットでした。
続くパー5はダブルボギー。そのあとのパー3はボギーと、ダボ、ボギーを繰り返す感じでハーフ48。
午後からは風がきつくなったため、アゲンストでは距離が伸びず、また重いヘッドのままなので疲れも出て、最初のパー5でトリプルボギーとなり、あともダボの方が多くなってしまって51。
それでもトータルで99で上がることができました。
このように、届かないときは無理をせず、フルショットの距離を残すか得意なアプローチを残す。
残りが110ヤードならフェアウェイウッドで届かせたくなりますが、敢えてそれをせず8番アイアンで打ち、得意の30ヤードを残す。
これに専念したおかげで、『飛ばさないと!』という力みが無くなり、『届かせないと!』とい緊張も少なくなったおかげで大怪我をすることがなく、パッティングラインも多くが上りの真っすぐに近いラインに乗せることができました。
Mさんが100を切れた大きな原因は、『この距離ならまかしとけ!』というアプローチを持っていたことに尽きます。

距離の出ない方が陥りがちなのは、『もっと飛ばさばさないと!』に始まり、『乗せないと!』につながる、飛距離信仰です。
しかし、別に飛ばなくても100を切れるというのは、今回Mさんが実証されています。
距離を伸ばすには時間がかかります。一足飛びには伸びません。
なら、じっくり飛距離を伸ばす練習をしながら、アプローチに力を入れるべきではないでしょうか?
アプローチの精度を高めるのは、飛距離を伸ばすよりも焦ることなくできますし、結果が見えるので意欲も湧きやすいです。
飛ばすことを諦めないでください。しかし『今の現実』にも目を向け、スコアアップには何が必要か?を考えた時、やはりアプローチの精度になるとは思われませんか?


②:引っかけライナーを打ってしまった時の、スウィングの解説。
今回の写真は、大きなミスを出してしまった時のティーショットです。
やはり撮られ慣れていないので、ひどく緊張してしまいました。
また『いいところを見せよう!』と力んでしまって、私にとっては『大変美味しい』写真になりました(笑)
いつも言っていますが、ナイスショットの写真は『いいですね!』しか言えないので、美味しくありません。
こうやってミスを撮らせて頂けると、解説しがいのある『美味しい写真』になります。
では解説していきましょう。

1では大変力強いテイクバックになっています。
しかし1⇒2⇒3⇒4⇒5⇒6⇒7⇒8まで、ずっと上体の向きが変わっていません。
関節の可動域が少なく(小さく)なっているため、2の位置以上には廻らないのです。
しかし2と3を見て頂けば分かるように、1で収まっていればいいトップを、さらに上げようとしています。
この上げ過ぎによって、どんどん軸が右に残ってしまっているのです。
また上げすぎているので、ひねった体を戻しきれていません。

5では、無理にクラブを引き上げてしまったので、ダウンスウィングで右ひじが外向きに下りてきています(紫の矢印)
スウィングそのものは、大変力強いのですが、残念なことにそのパワーが外に逃げてしまっています。
さらに6⇒7では、外向きになり8ではアウトサイドインになっています。
1⇒のトップが綺麗なだけに、この上げ過ぎがもったいなさすぎますね。
7でひじが開いて(外向きに)下りてきているため、8ではコックがほどけてしまい、クラブ(シャフト)の角度が保てず、既にリリース(手首が立っていない状態)されています。(紫の線で囲った部分)
ところが8ではインサイドから下ろそうという意識が働いて、手首をこねる形になっています。
ここで紫の線で囲った部分をご覧ください。
右手のひらが上を向いているのが良く分かりますね?

こうなってくると、9では右手のひらが上を向いたままになってしまい、すくい上げるようなスウィングになってしまって、クラブが加速できなくなってしまいます。
9~12の紫の線の部分(12は抜けています)をご覧頂くと、お分かりのように右の手のひらは上を向いているのに。体は左を向こうとしています。
10ではフェースは真っすぐ当たっているように見えますが、グリップがヘッドより先行してしまっているため、左に引っかけてしまいました。
ライナー性の薄い当たりで、50ヤードくらいしか飛びませんでした。
12では体重が右に残っているのがお分かりになると思います。
つまり2⇒3で上げすぎてしまったため、ギッコンバッタンになっているのですね。

13では軸が左に残り、体は左を向いているのに右の手のひらはまだ上を向いています(黄色の線)
14でクラブを担ぎ上げはじめ、15⇒16では右足一本で立つような形になり、左のかかとが浮いてしまいました。
これは②の冒頭でも申し上げましたが、初めての撮影で緊張されたことの影響が大きかったと思います。
その証拠に、次のショットでは見事に芯を喰い(カメラがなかったからでしょうか?)、残り200ヤードの打ち下しをフェアウェイウッドで120ヤード。80ヤード、軽い打ち上げを7番アイアンで乗せ、1パットのボギーでしのがれました。


私が最も得意とするレッスンは、アプローチです。
トーナメントプロのような飛距離を望まれても、叶えてさし上げることは無理ですが、寄せワンを狙えるアプローチを・・・と言われれば、お教えすることができます。
寄せワンが取れれば、Mさんのように飛距離は出なくともスコアを出すことは可能です。
オーシャンゴルフアカデミーでは、貴方に合ったアプローチの仕方をお教えしています。
ぜひお気軽に無料体験レッスンにお越しください。
貴方用のアプローチが作れると思いますから。

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深田洋史
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深田洋史(スポーツインストラクター)

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