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ヘッドが重過ぎるアイアンを使うと、球が上がらなくなることがあります

2018年11月15日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:ラウンドレッスン

コラムカテゴリ:スクール・習い事

スウィングの分析
ヘッドが重過ぎるアイアンをお使いのRさんの場合
ヘッドが重過ぎると担ぎ上げてしまい、振り遅れるためヘッドが鋭角に下りてきて球が上がらない場合があります

今回は女性のRさんです。
前回のHさん。前々回のMさんと一緒にラウンドレッスンさせて頂きました。
Rさんは、スウィングそのものは素晴らしいのですが、アイアンのヘッドが少し重すぎるため、担ぐようなテイクバックになってしまい、球が上がりません。
今回の写真は、最高のショットを打たれた時のものですが、それでもスウィングにはアイアンの影響がはっきりと出ています。
では解説していきましょう。

1では右腰が頑張りすぎて、体重が右に載って行っていません。
手首(紫の線で囲った部分)をご覧頂くと、コックができていないのが良く分かります。
これはアイアンのヘッドが重いため、回転ではなく手で担ぎ上げるようにしないと上がらない事に原因があります。
2から4までは、右腰に付けたポーチにご注意ください。
ほとんど位置が変わっていないのが分かりますね?
これは体が回転しているようで、実は手で担ぎ上げているということなのです。
3では、左腰の位置はそのままで右腰が逃げる形になっています。
それは右ひざのツッパリを見ると理解できると思います。
またフェース面が閉じているのが分かりますか?

4ではもう切り返してもいいタイミングなのに、まだ担ぎ上げています。
フェースが閉じてゆき、5では赤い線まで来ているはずの軸がまだ青い線の所です。
5から6ではシャフトがクロス(ターゲット方向より左を指している状態)になっています。(黄色い矢印)
肩関節や肩甲骨の自由度が高くてそうなる場合は問題ないですが、Rさんの場合はチョッと問題です。
これは回転ではなく、ひじを後方に引っ張り込んでいるために起こっているのです。

7では右ひじが後方に引けているのがはっきりとわかります。
軸も右ひじが後方から押しているため、左に傾いていますね?(青い線)
8では右ひざが伸びきり、左下方に動いています。(青の矢印/腰の部分)
腰も左にスウェイしています。(青の矢印/膝の部分)
だから9では、クラブのリリース(コックがほどける)が早くなっています。
これは1の裏返しの位置です。

10では左肩が上に上がっているのが分かるでしょうか?
この形でヘッドが下りてくると、11のように肩のラインが右に上がり、グリップがヘッドより先行します。
そうするとフェースは閉じてしまい、ロフトが少ない状態で当たるため、球は上がらなくなってしまいます。
これらは4・5・6からつながるエラーです。
12では左サイドが伸び上がり、体自体が傾いています。(青い線)
この時のショットは、飛距離は良く出ていましたが、球筋は低くライナー性でした。

Rさんのスウィングは、全体的に見て悪いものではありません。
では何故球が上がらないとお悩みなのか?といえば、私の見たところ『アイアンのヘッドが重過ぎる。だから担ぎ上げ、シャフトがクロスするところまで引っ張り込む癖がついてしまった』からだと思います。
このままのクラブでも球を上げられるようにして欲しいと言われれば、それは不可能ではありません。
ただ飛距離を落とすのは覚悟しないといけないですね。
それは、振り切れないクラブを『振り切れる範囲の大きさ』で振るようにするからです。
つまりスウィングを小さくして、当てに行くスウィングに変えるということなのです。
今お持ちの飛距離を保ったまま、球が上がるようにするのは大変難しいと言わざるを得ないです。

重いヘッドは、衝撃力という点から見るとすごく有用です。
前回のHさんなどは、この『ヘッドの重みを活かした衝撃力』で飛ばすようにレッスン中です。
しかし振り切れないとか、自分のリズムで上げられないほど重すぎると、当たれば飛ぶけれど、ナイスショットになる確率の低いクラブになってしまいます。
私もかつて当たればメチャクチャ飛ぶドライバーを持っていて、『これは最高だ!』と使っていました。
しかしその素晴らしいショットが出るのは数ラウンドに1回くらい。
後は、『球が上がらない』『曲がる』の連続で、しばらくすると『この確率では、平均飛距離を求めたら却って良くないな?』と気づきました。
重過ぎて硬すぎるクラブだったのです(苦笑)
そして振り切れる=自分のタイミングで打てるクラブに替えたところ、一発の距離こそ落ちましたが、平均飛距離は伸びました。
自分のスウィングのタイミングで振り切れる重さや長さ、あるいは硬さといったものは大変重要です。
はっきり申し上げます。Rさんのスウィングは基本的な部分では悪くありません。
クラブによってスウィングを変質させられているのです。
大変すばらしい素質をお持ちのRさんには、是非アイアンを替えられることをお奨めしたいと思います。
以前にも書きましたが、私は生徒さんのためにならないクラブは作りませんし、売らんがためのクラブも作りません。
私がクラブを替えられることをお奨めするというのは、それが一番の近道だからです。
もちろん先にも述べましたが、『このクラブのままで』とおっしゃるなら、そのようにレッスンさせて頂きます。
クラブって、簡単に買い換えられるほど安いものではないですからね(笑)

オーシャンゴルフアカデミーでは、このようにクラブの影響からくるスウィングのエラーもきちんとご説明させて頂いております。
スウィングだけでなく、クラブのことでも気になることがおありでしたら、どうぞ気軽に無料体験レッスンにお越しくださいね

この記事を書いたプロ

深田洋史

ゴルフレッスン&クラフトのプロ

深田洋史(Craftsman Golf Shop Ocean CLUB)

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