薬剤師国家試験について①
前回は薬学部の偏差値の変動について、最新の情報を紹介しました。
全体的な私立薬学部人気の地盤沈下が進むにつれて、私立薬学部の最終形態はどうなるのかについて私見を述べます。
まず、全体的な人気が下がってくるので、「薬学部」という事で人気を維持する事が難しくなります。今後は大学自体のブランドが重要になってくるのではないでしょうか。
よく言われる医学部など他の医療系学部が同じ大学にあって、チーム医療を学習しやすいというのはおそらく今後のブランド力には寄与しないと思われます。
現時点でも医学部医学科はかなりな高偏差値な大学でも、薬学部の偏差値がかなり低い大学が多くあります。反対に東京理科大など医学部のない薬学部は数十年にわたって人気をキープしています。
このように世間的に大学自体のブランドが高い大学(例えば慶応、立命館、近畿大学など)は、就職などを考えても有利に働くことが多いので、今後も受験生の人気をキープできる可能性はあります。
今後大きな岐路に立たされるのは、所謂名門の老舗薬学部だと思います。
関西であれば、京都薬科、神戸薬科などです。大阪薬科は既に医学部と同じ大学になったので、その形態での生き残りを図るでしょう。京薬と神薬は単科大学としてどのように生き延びていくのか?具体的な方策を持っているのかは、受験校を決める際に大きな判断材料になります。
嘗ては研究、開発、製造、営業、学術など多くの職種で多くの製薬企業に卒業生を送り込んだ京薬ですが、最近では企業の研究職に進むのは全卒業生の僅か2%しかいません。
京薬=企業に強い というのはほぼ昔話になっています。
京薬も神薬も大学の偏差値に関係なく、一部優秀な学生が進学します。国立大学薬学部落ち、医学部から進路変更組、研究職志望組などは一部の上位層を形成します。
彼らを積極的に受け入れて、彼らの進路を大学が積極的にバックアップする体制は、残念ながら十分ではないように思われます。



