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進学先の薬学部の選び方

植芝亮太

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テーマ:受験全般

今は受験期間中で、まだ私立薬学部の後期試験なども残っています。
中には複数の薬学部に合格した方もおられると思います。その中でどこに進学するかを少し迷う事もあると思います。選ぶ根拠は人それぞれで、偏差値、立地、学費、国家試験合格率などあると思います。その中で国家試験合格率で選ぶときに注意すべきことを述べます。

薬剤師国家試験の合格率は大学により様々で、一般的には入学時の偏差値の高い大学の方が国家試験合格率が高くなっています。
厚生労働省が公表している国家試験合格率は大学ごとになっており、どこの大学の合格率が高いかはすぐに分かります。
例えば令和6年に行われた第109回薬剤師国家試験では、新卒合格率100%の東京大学を筆頭に国公立大学では概ね高い合格率が示されている一方、新卒合格率が52%の私立大学まであります。

第109回大学別薬剤師国家試験合格率

まず、表の見方で注意する事について、
合格率は4種類記載されています。新卒、既卒、旧4年制、総数(新卒+既卒+旧4年制)ですが、これから進学先を検討する人は「新卒」の%を参考にします。
そして、私立の場合はそれだけでは不十分です。
国公立では出願者数と受験者数がほぼ同じです。国立で98.7%、公立で99.7%の出願者が実際に受験しています。一方、私立では出願者の86.7%しか実際に受験していません。
一見すると国公立と私立で大きな開きが無いようですが、私立では出願者の43%しか受験していない学校もあります。
なぜ出願しているのに受験しないかという事ですが、これは国家試験当日にインフルエンザにかかって受験できなかったわけではありません。出願は毎年1月上旬ですが、出願した後に卒業できなくなって、受験資格を満たさなくなったケースがほとんどです。つまり合格が難しそうな6回生の卒業を延期する事で、合格率をあげようとしているわけです。

表に示されているのは、合格者数/受験者数 の%ですが、この数字ではなく、合格者数/出願者数 を計算して比べてみましょう。
その数字が高い学校の方が、6回生になった時点をスタートとするとより高い確率で薬剤師国家試験に合格すると言えます。
当塾は兵庫県にありますので、県内の大学で第109回の結果を考察すると、
まず表にある新卒の合格率は以下の通りです。
神戸薬科大学 84.00% 神戸学院大学 86.08% となりますが、偏差値47.5の神戸薬科よりも偏差値35の神戸学院の方が良いと考えるのは間違いです。
神戸薬科は合格者189/出願者233 で81.1%
神戸学院は合格者136/出願者218 で62.4%
と大きな違いがありますので、ここで単純な国家試験合格率から神戸学院を選択するのは見かけの合格率に翻弄されることになります。

上記の合格率52%の大学も兵庫県内ですが、受験率43%の大学も同じ大学です。
ですので、実質的な合格率は43%x52%なので、約2割しか合格していないのです。

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植芝亮太
専門家

植芝亮太(薬剤師)

こもれび薬局・こもれび理数塾

個々の問題点を客観的に評価し、設定した目標に必要な学習プランを作成。1クラス3名まで、問題の演習に重点を置き、家庭学習のペースを管理。LINEで質問受付あり。学習のみならず受験戦略を個別検討。

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