【マーケティング小噺#5】 どのシーンで役に立つか
集客をテーマにする経営セミナーをよく見かけます。
事業にたずさわる方々の中で集客のニーズは多いです。
皆様は、集客キャンペーンを企画する時、実施期間中の効果を目的にしていませんか?
特別なキャンペーンをしているわけですから、期間中の客数・売り上げ金額は
ほとんどの場合で上がります。これはわかりやすいプラスの効果です。
多くの場合、これで「効果あり」と評価されています。
新聞などで「OOブランド、△△キャンペーン期間中の売り上げXX%アップ」
のような記事をよく目にします。
しかし、集客キャンペーンには費用や手間・時間がかかっています。
その分、キャンペーン期間中の対象商品の利益率は通常より少ないかマイナスになります。
これは細かく計算しないと見えにくいマイナスの効果で、見過ごされがちです。
この2つを合わせると、集客キャンペーンはその期間内には
「客数や売り上げ金額を増やして、利益率を下げる」
不健康な状態をもたらすことがわかります。
キャンペーンの時だけいらっしゃるお客様は、お得意様のようですが、
実は上記の不健康さだけをもたらします。
集客キャンペーンの目的を、キャンペーン期間中の客数や売り上げ金額の上昇にすべきではありません。
目指すべきは、キャンペーン実施前より実施後に成長していることです。
具体的には、利益率を減らすことなく、客数や売り上げ金額を増やせていることです。
測定方法は、①売り上げ・利益・客単価などの重要指数を、
キャンペーン前3-6ヶ月平均とキャンペーン後にお客様がその商品を最初に買う月*以降の
同じ期間の月平均とで比べて成長効果を測定する、
②キャンペーン前より後に増えた利益額とキャンペーン費用を比べて費用対効果を測定する、
とよいでしょう。
ぜひ、ご自身の集客活動をこの視点で見直してみてください。
*その商品の購入サイクルが3ヶ月ならキャンペーン終了後2,3ヶ月間は購入しないので、
2ヶ月後または3ヶ月後から実施後期間を設定するとよいでしょう。