【マーケティング小噺#20】 競合理解の目的
皆さんは、最近STP(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)の手法を使いましたか?
STPのポジショニングを表す方法としてよく使われるのが、2軸のポジショニングマップです。
縦軸と横軸にそれぞれ相対する機能・イメージなど(例えばカジュアルとフォーマル)を記載し、
市場内の商品がどこに位置するかをまとめる方法ですね。
私は30年間ポジショニングマップを使用したことがありません。
成功確率の低い戦略を導く可能性があるからです。
まず、ターゲットの異なる商品を1枚に描いてしまうことがあることです。
ゲーム機市場マップを事例として見かけますが、「プレイステーション3や4」と
「WiiやNintedo Switch」は中核ターゲットが異なるはずです。
そうならば、ポジショニングではなくセグメンテーションやターゲッティングの領域です。
次は、差別化のための差別化に陥りやすいことです。
ポジショニングマップ中の商品が存在しない領域が差別化機会と言われたりしますが、
そこに顧客ニーズがあるのかはそれだけでは分かりません。
ニーズがないのでそのエリアに商品が存在しない可能性も否定できません。
十分な確認が必要です。
最後に、ポジショニングマップは商品サービスの機能やイメージで作られ、
その背景にある顧客の想いが反映されていないことがよく見られます。
現在、多くの市場で機能や技術の訴求だけでは購入客を獲得することが難しくなっています。
ポジショニングマップを作ることをゴールにせず、顧客設定段階で価値観や生活を十分理解する。
そして、どの生活シーンのどんな悩み解決や望み達成の手段になれるか、
の価値提供の観点から事業コンセプトを作ることをお勧めしています。