管理者なったら持って頂きたい2つの着眼点と1つの心構え
あと1カ月弱で新入社員を迎い入れられる組織も多いと思います。
そこで部下・後輩の指導をされる立場の方には是非意識して頂きたい
部下・後輩との関わりの中で、意識して行って頂きたい2つのポイントをご紹介させて頂きたいと思います。
POINT.1: 「結果」ではなく「行動」を承認する
POINT.2: 「期待している」ではなく「信じている」
POINT.1.「結果」ではなく「行動」を承認する
良い結果・成果と言うモノは、行動の先にあります。
つまり良い結果を積み重ねてもらおうと思うと、結果に繋がる良い行動を積み重ねてもらう必要があります。
前回のコラムでも記載させて頂きましたが “人は承認を求める生き物” だと言われます。
その承認には、①存在承認、②行動承認、③結果承認 という3つの承認があると言われています。
その中でも、最も多く見受けられるのが結果承認ではないかと思います。
子供の頃で言えば、学校の成績や、部活動での活躍などでの承認がこの結果承認になります。
ところが先程もお伝えさせて頂きましたが、結果というのは行動の積み重ねです。
良い結果を生み出すには、良い行動を繰り返し行ってもらう事が必要となりますが、部下・後輩の仕事を四六時中監視するわけにもいかないので、なかなか行動を承認する機会というのが持てないと思います。
が…、ひと工夫加えると、行動承認を行う事が出来ます。
その方法は、結果・成果が出た人に対して、「その結果が出る為に、あなたは何を考えて、どの様な行動を取ったの?」と質問をする事です。
この質問をされた部下は「どの様な事を考えて、行動を取ったかなぁ…」とその時の事を振り返り始めます。
そして「あの時、お客様との会話の中で、○○にお困りとの事だったので、それなら我が社の□□ならお客様のお困り事を解消出来るでは…と思い、□□を提案させて頂きました。」と部下が返答した時に「その考え方とその行動が良かったんだね」と言葉を投げ掛けて頂くと行動承認になります。
この行動承認を重視して頂きたい理由なのですが、人は自分が取った行動を60秒以内承認されると同じ行動を繰り返す、と言われています。
実際には60秒以内に行動を承認されているわけではないのですが、結果・成果に対して「その結果が出る為に、あなたは何を考えて、どの様な行動を取ったの?」という質問をされた事により、質問をされた部下の意識は、その時にフラッシュバックしますので、その直後に「その考え方とその行動が良かったんだね」と言葉を投げ掛けて頂くと、60秒以内に行動を承認したのと同じ結果になります。
最後の存在承認ですが、これは「おはよう」などの相手に投げ掛ける挨拶などで存在承認は出来ているのですが、ミスが続いている…、成果が出ていない…、という様な、ややメンタルダウン気味の人の場合、挨拶程度では存在承認が満たされない事があります。
存在承認を感じなくなると、退社に繋がってしまうおそれがありますので「存在承認を満たせてないなぁ~」と感じる人には、一度しっかりと話を聞いてあげる為の時間を取って頂く事をお勧めします。
POINT.2: 「期待している」ではなく「信じている」
この言葉の投げ掛けは、単なる表現の違いと思われがちですが、無意識的に人のやる気に大きな差を生み出しますので、「信じている」を口癖にしてなるまで使い込んで頂きたいと思います。
この「期待している」と「信じている」という言葉は、何が違うのかと言いますと、
「期待している」にはTAKEの意味が含まれ、「信じている」にはGIVEの意味しか含まれない、という事です。
GIVE&TAKEと言われますが、人はTAKEされる事を感じると、奪われない様に守ろうとしてしまいます。
逆にGIVEの要素しか感じなければ、返報性の原理が働き、「その気持ちに報いたい」と思う様になります。
つまり、部下指導の中で「今回はとても良い成果を上げたね! 次もまた期待しているから!!」と言われると、無意識に「今回よりもより大きな成果を出さなければ…」というプレッシャーを感じたり、悲観的な人の場合は「自分の成果を上司が奪おうとしている」と捉えられてしまう事があったりします。
GIVEの場合は、「今回はとても良い成果を上げたね! 次もまた成果が出ると思うよ!信じているから!!」と言われると、信じてくれている気持ちに応えたいと思う様になり、自発的に成果が出る様に行動してくれやすくなります。
またこのGIVEの場合は、「今回残念だったね!でも必ず次は成果が出ると思うよ!信じているから!!」という様に、成果が出ていない場合にも使えます。
最後に…
結果ではなく行動を承認し、きっと成果を出せるから…と信じて関わる
ただ単にそれだけの事で、人は成長し、成果を出せる様になるものなのですが、ミスが続いたり、やる気を感じない素振りを見てしまうと、部下を信じる気持ちが薄くなってしまう事もあると思います。
毎朝出勤の道中に部下を思い浮かべながら「あいつは出来るやつなんだ」と自分に言い聞かせる習慣も合わせて身につけて頂ければと思います。