隠れ結露の正体
◆マンション生活者(区分所有者)のぼやき①
『最近、家の中が寒いんだけど、年齢のせいかな?』
『最近、冬になると壁がぐっしょり濡れるようになった。』
『タンスをどけたら、壁がカビで真っ黒になっていた。』
『内窓をつけたのに最近は以前ほど暖かさを感じなくなった。』
これは断熱材が経年劣化して効果がなくなってきたことが原因と思われます。
でも、不思議?なことに南側の部屋では濡れることはあっても、壁がカビで黒くなることはあまりありません。
日当たりのよい部屋は結露がでてもすぐに乾きますが、そうでない部屋は濡れっ放しのため、暖房して暖かくなるとカビが発生しやすくなるからです。
◆マンション生活者(区分所有者)のぼやき②
『子供達はこの家に住まないって言ってるんだよね』
お打ち合わせに行ったときや店頭でこんなつぶやきを以前からよく耳にします。
『私たちが住まなくなったら、この家は処分するだろうからそんなにお金をかけてリフォームしてもね』というのは大体ご主人さんの方で、横にいる奥さんはいやいや快適じゃないとだめでしょうってお顔をされているように見えます。
経験的に持ち家の方の子供さんはやはり持ち家の方が多いと思います。
ですから、親が亡くなって相続した場合は以下の3通りが考えられます。
①空き家のままで持ち続ける。
②売却して現金に換えてしまう。
③賃貸収入物件として管理する。
結論から申し上げますと、私は③の子供さんが賃貸収入物件として管理することを進言しています(もちろん、収益性や管理コストを検討の上です)。
①の空き家として持ち続けられる人は所得の心配がないと考えても差し支えない方だと思います。
②の相続した後、売却して現金に換えてしまうのが一番多いように思いますが、現金化するといつの間にかなくなってしまったというお話をよく聞きますので、現金管理が重要になりますね。
子供さんにとって、将来、不動産収入がプラスαで入るというのは、変動する人生の中では出費の多い時期もあるのでとても安心感があるはずです。
◆古い断熱材を除去して外壁の断熱性能を回復しましょう。
バブル時代(1989年)以降に大量供給されたマンションが築30年超になりました。
阪神大震災以降、一時期ですが古いマンションはその耐震基準から考えても大地震に耐えられないという風評が蔓延し、建て替え論議が巻き起こりましたが色んな意味で現実的ではないことが露見して、今や大規模修繕に参入する業者が後を絶ちません。
マンションの建て替えは諦めたということです。
そうなると、次の課題はいかに永く住居としての基本機能を落とさないようにするかです。
マンション区分所有者は修繕積立費と管理費を払っています。共用部分の更新は修繕積立費で賄いますが、室内の管理は区分所有者の責任範囲です。
断熱材の見直しは外壁の内側になるので、共用部分には当たらないと思います。
最近、断熱性能後進国の日本でようやく新築住宅にZEH基準=断熱性能等級5が適用されることが決まるようです。
今は何もありませんが、人口減に伴う新築減少が加速する中、余り過ぎている中古住宅の性能回復が重要になると私は考えています。
◆天然木や漆喰等の自然素材を併用した壁断熱の推奨
壁断熱施工の後、普通に考えればビニールクロスを貼ることが多いでしょう。
でも調湿機能、生活臭などの消臭機能、抗菌機能及び超長期耐久性・管理のやりやすさなどを併せ持つ天然木(例えば桧)やしっくい等の天然素材を採用することが結果的に安価な投資になるのです。
自然災害が頻発する日本で、鉄筋コンクリートのマンションは安心安全の住まいです。
少し手を加えていつまでも快適に住んでください。