マンションの結露がひどい!結露やカビを減らして快適に過ごす方法とは?

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション リフォーム

冬場や梅雨時に窓際に発生する結露。一戸建てに比べてマンションは特に結露が多いように感じませんか?
今回はマンションでの結露対策についてお伝えいたします。


【壁と窓からの結露がカーペットに流れてカビだらけ】

<結露が発生しやすい場所>
結露は、水蒸気を含んだ空気が冷やされて水滴に変わる現象で、温度差と湿度のバランスによって起こります。

そのため室内外の寒暖差が大きい冬や、湿気の多い梅雨どきなどに発生します。たとえば冬、室内側の窓ガラスによく結露が見られます。外気の影響を受けて冷たくなった窓ガラスに室内の暖かい空気が触れたとき、空気中の水蒸気が水滴に変わって窓を濡らすためです。

断熱対策が不十分なマンションでは、窓や壁の表面、家具の裏側や、クローゼット、押入れ、玄関などに結露がよく見られます。


【低層3階建マンションの天井の結露は外壁からの冷えが伝わる際】

【高層マンションの天井の結露、同上】

<マンションは結露が発生しやすい>
マンションに結露が多いのは、コンクリート造のため気密性が高く、空気の流れが少なくなっており、水蒸気を含んだ空気の逃げ場がないためです。

また、冬はコンクリートが外気の影響を受けて冷たくなるため、窓だけではなく、室内のいたるところで冷たい空気と暖かい空気がぶつかり、結露が発生します。

またマンションは南北に部屋を配置する間取りが多く、北側の部屋は室温が低く、湿気もこもりやすいので結露が発生しやすい環境となっています。さらに玄関も結露が発生しやすい場所です。一日中日が当たらず、熱伝導率の高い鉄のドアを使用しているので、外気の影響で冷たくなりがち。そこへ室内の暖かい空気が流れ込んで、結露が発生し、ドアが濡れたり、靴が湿ったりします。


【マンション玄関ドア際の床と壁が結露で浮き上がってめくれています】

<新しいマンションも要注意>
築古のマンションは断熱性能が低いことが多いので、結露が発生しやすいのですが、新しいマンションも注意が必要です。

コンクリートはおもに水とセメントでできており、建ててから数年間は水分の放出が続くといわれています。このような環境で梅雨時に洗濯物を室内干ししたり、換気をしなかったりすると、結露が発生する可能性大となります。

結露をそのままにしておくと、不快なだけでなく、カビやダニの繁殖を招き、健康を害する恐れや、建物の寿命を縮める可能性もあります。


【部屋全体の湿気を抜くには浴室の換気扇をうまく使うのが効果大です】

<結露を防ぐためには>
結露対策として一番に挙げられるのは、こまめな換気です。窓を開けて換気をすることによって、湿気を含んだ室内の空気を外に出すことです。24時間換気のあるマンションは勿論ご利用ください。また浴室の換気扇などを24時間換気がついているモノに交換するのも効果的です。台所の換気扇は強力なので常時使うと冬は寒いと悪評です。

また大きな家具などは通気性をよくするために、壁から少し離して設置することが望ましいです。クローゼットや押入れもスノコを置き、荷物などを詰め過ぎないこと。そして、ときどき開け放して風を通すことが大切です。

冬場の加湿器の使い過ぎも結露の発生を招きますので、適度な湿度を維持することを心がけましょう。

もうひとつは、家の中に冷えた部分をつくらないこと、表面温度を下げないこと。そのためには部屋全体の断熱性を高めることも大切で、一番結露しやすい窓の対策がポイントとなります。


【マンション多角形出窓に作った木製内窓の片開き扉】

【北側の部屋、寝室の木製内窓。冬場の明け方が寒くありませんよ】

<窓の断熱リフォームには内窓がおすすめ、その理由>
断熱ガラスは単板ガラスに比べて熱の出入りを軽減しますが、ここで注意しておきたいのは、結露が発生する窓ガラスだけを、断熱ガラスに交換しても十分ではないということです。

アルミサッシの部分は断熱されないので、アルミサッシに結露が発生する恐れがあります。マンションでは窓は共用部分の扱いですので、個人がサッシごと断熱仕様のものに取り換える工事はできません。

そこでおすすめしたいのが内窓の設置です。

内窓は、いまある窓の内側に追加で設置する窓です。窓を二重に配列することによって、室内側のガラスは直接外気の影響を受けなくなるので、表面温度も下がりにくくなります。

また内窓の枠にアルミサッシではなく、熱伝導率の低い樹脂製や木製のものを使用すると、さらに効果的です。断熱効果によりエアコンの効きもよくなり、光熱費が節約できます。


【乾式の壁断熱工法、ウレタンボードを貼りかえています】

<壁に断熱材を充填する>
壁の中に断熱材を施工することで、室内側の壁の表面温度が外気の影響を受けにくくする方法もあります。ボード状の断熱材をコンクリート壁に貼り付ける乾式断熱と、泡状の断熱材を吹き付けていく湿式断熱があります。

マンションの気密性を下げることはできないので、こうした断熱リフォームは結露対策に欠かせません。
結露の出る冬に確認して、外壁が乾く5月以降に工事するのがおススメです。

<調湿効果のある自然素材を取り入れる>
以上のように、結露の発生を防ぐためには、換気をすることと断熱をすることが基本となります。

さらに調湿効果のある無垢材を使うことで、室内を快適な湿度に保ち、結露を防ぐこともできます。

木製家具を置いたり、押入れ、クローゼットの仕上げ材に無垢の木を使用したり、設置が簡単な無垢材の置き床を使用したりするのもおすすめです。杉の置き床生活は、既存の床の上に設置するので、マンションであっても無垢のフローリングが実現できます。


【森林浴生活オリジナルの木製内玄関扉】

また玄関ドアの内側に、木製内玄関扉を設置する方法もあります。

リフォームといえば壁紙を変えたり、浴室やキッチンなどの設備機器を一新したりすることに目が行きがちですが、こうした本質的なリフォームこそ日々の暮らしに重要と言えるでしょう。

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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