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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

フローリングのカビの原因と影響は?カビが出た際の落とし方・対処法

2019年6月8日 公開 / 2020年4月24日更新

テーマ:マンション 調湿 

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: フローリング 素材フローリング 工事

家の中ではカビが発生することがあります。ただし「カビが生えるとすれば、お風呂や押し入れや畳の下でしょ?」という認識の方がとても多いように思います。
実はフローリングにもカビは生えます。フローリングのカビが原因で、体調不良を起こしたり、病気を発症するケースもあるのです。


【アルミサッシについたカビ】

<油断するとカビは家の中に発生します>
カビの大好物は湿気と汚れです。この2大条件がそろうと、カビは高確率で発生すると考えましょう。

汚れてホコリが溜まった場所や、湿度が常に高めの場所は注意が必要。一般的な目安として、室温20〜30度以上、湿度80%以上でカビは活発になります。
家の中に結露ができる冬や、梅雨から秋にかけての高温多湿な時期も要注意。いろいろなスペースにカビが出現しやすいといえるでしょう。

もちろん台所やお風呂、トイレや洗面所といった水廻りは常に湿気を帯びています。タンスの中など、換気があまり行き届かないところにも湿気は溜まりやすいといえます。滅多に使わない日当りの悪い部屋の壁にカビが出現していて、ゲンナリした経験のある方もいるでしょう。


【壁紙や幅木についたカビ】

<フローリングにカビが生えるのはなぜ?>
ではフローリングにカビが発生するのはなぜでしょうか?

原因として以下のようなことが考えられます。

①室内に洗濯物を干しっぱなしにしていませんか?
完全暖房の北国では室内の乾燥を防ぐため、洗濯物を部屋干しにするご家庭が多いようです。しかし換気も行き届いていない状態の部屋で干しっぱなしを継続すると、部屋の湿度が上がってしまい、フローリングにカビが発生する可能性が高くなります。

②フローリングに布団を敷いて寝ていませんか?
ひと晩に人はコップ1杯分の汗をかくといわれます。湿気と人の体温で、布団の下はカビが繁殖するのに絶好の環境となります。布団を敷きっぱなしにしているとなおさら危険です。

③カーペットが不衛生ではありませんか?
カビは、ホコリや髪の毛、食べこぼしや飲み物のシミなどが大好きです。それらを栄養源としてフローリングに根付きます。掃除は苦手、食後の後始末や片付けが大嫌いな人に、カビが忍び寄る危険性は高いといえます。

④植物を部屋の中に置いていませんか?
なんとなく買って来て、なんとなく部屋に置いている植物。水やりはもちろん必要ですが、その水分によって湿気が高くなることがあります。特に大きな鉢物をフローリングにそのまま放置していると、カビが生えやすい状態となります。


【クッションフロアについたカビ】

<カビが人体に及ぼす影響をご存じですか?>
家に発生したカビは、一般的な掃除では簡単に取れません。特にフローリングは広いエリアですし、より暮らしに密着している部分です。放っておけばどんどん繁殖し、不潔なだけでなく健康被害をもたらします。

黒カビは繁殖力が強く、壁や衣類、クロスなど家屋のさまざまな場所に発生します。低温や乾燥にも負けず広がるばかりか、アレルギーや喘息の原因となます。

ススカビは非常に強い力を持っており、プラスチックを腐らせるほどのパワーがあります。ススカビの胞子は大変軽く空気中に飛散しやすいため、浮遊する時間が長いのも特徴です。また、胞子は大きく、鼻腔内に留まり付着しやすいのでアレルゲン発生の原因となります。

高温多湿の日本の家には、カビが発生する条件が備わっています。感染症、アレルギー症状、中毒症など、健康面に影響が出たという報告が多数あるので、免疫力や抵抗力の弱い子どもさんや高齢者のいるご家庭では、カビの繁殖に特に注意してください。


【なんと珪藻土についたカビ。壁断熱をしないで調湿する珪藻土を塗っても無駄。3年後に真っ黒になりました】

<やってはいけないフローリングのカビ取り&カビの発生予防と落とし方>
フローリングのカビ取りは「見つけた時に、その都度」が理想です。カビの範囲が広がらないうちに、状態が悪化しない段階で、対応することをおすすめします。掃除方法によっては逆効果となる場合もあるので、正しい方法でカビ取りしましょう。

第一に、掃除機で吸い込んでしまうのはNGです。掃除機は簡単でカビを消し去るために確実な作業のように思えますが、吸い込んだカビは、掃除機の排気といっしょに部屋全体に拡散します。

塩素系漂白剤やカビ取り剤も効果的なイメージですが、フローリングの種類によっては効果が強過ぎて脱色する可能性もあります。

カビの発生を抑制するには、湿気とホコリを適切に排除する心がけが必要です。フローリングの床拭きは、水分を残さないよう配慮して湿気を防ぎましょう。掃除の最後にスプレータイプのアルコール消毒をすると、菌を死滅させることができます。

それでもできてしまったカビを取る時は、消毒用エタノールを使いましょう。エタノール80mlと水20mlを混ぜてスプレー容器に入れ、フローリングのカビが気になる部分を中心に吹き付けてください。乾いた布やぞうきんで拭き取ればOKです。
また、週に一度は窓やドアを開け放ち、家屋の換気を定期的に行う習慣を身につけましょう。


【国産の杉で作ったマンション専用の杉の置き床生活(実用新案取得済)】


【杉無垢の板材でデザインした壁】


【窓周りの結露を防ぐ木製内窓(特許取得済)】

<カビにも対応する無垢材の調湿力とは?>
天然の木が持っている調湿力に着目すると、無垢材フローリングの素晴らしさがわかります。天然木は梅雨時に部屋の湿気を吸い取り、冬の乾燥時には吐き出す力を持っています。

薄い木の板を接着剤で何層かに重ね合わせ、表面に木目のプリントを貼った複合(合板)フローリングは、大量生産できるので価格が安いというメリットがあります。

しかし、調湿効果はというと、ないと考えていいでしょう。裸足で過ごしたい夏にはベトついた感触、冬はスリッパなしでは立っていられないほど冷たく感じます。

無垢材を取り入れたフローリングは、湿度を調整してくれる自然派の床。カビの心配が軽減される上、接着剤不使用でアトピーやアレルギーの心配が少なく、健康的な空間を作り出します。

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