椅子のリフォーム
収納が少ないという悩みが多いマンション生活者のために開発したのが、弊社オリジナルの「ふとん収納畳ベッド」ですが、マンションの収納は、厳密に言うと収納の奥行きが浅くてふとんが入らないということなのです。
【よくあるマンション洋室のクローゼットです】
このクローゼット、扉は折れ戸がついていましたが、その奥行は600㎜丁度でした。
600なら一般的な男性の背広を掛けてもぎりぎりまっすぐに掛かる寸法ですが、体格の立派な方ははみ出ます。
実際には520㎜程度のものもあり、現場での寸法はマンションによって様々です。
600を切ると洋服は斜めにかかりますので、その分容量が減ります。
まして、ふとんは全く無理。和室があれば、なんとか奥行800㎜確保というところです。
【今回はお客様のご要望でW=1200になっています】
今回のご要望は…
① 初めてのベッドなので気持ち幅広がよい(がっしりした体格なので納得!)。
② お掃除ロボットがベッド下を通れる高さの確保(H=120です)
本体は国産杉で作った積層板、フタの周囲は柾目の杉板です。畳はダイケン工業の和紙畳です。
普通のイグサでは縁なしだと角がすぐに折れてしまいます。摩耗に強い薄畳です。
【内部は杉板のスノコ。通気性、調湿性、防ダニ性にすぐれます】
無垢材の耐久性は樹齢の2倍と言われています。ざっと100年というところです。
耐久性は構造強度のみならず、調湿性も同様です。
杉や桧の香りによる防ダニ性は最近の実験によって明らかになりました。
実験では、ヒバ、ヒノキ、スギで行動抑制効果が見られました。
動かなくなるということは生殖活動をしないので増えないということですね。
香りが嫌いなので知らぬ間にいなくなるのではないかと期待しています。
同時にケヤキ、ミズナラでも行われましたが、全く効果がありませんでした。
【手掛けできるように切り込みを入れると手元が滑る心配がありました】
今回のご要望に対してこちらの改善提案は次の2点です。
改善点①
指がかかり易いように約20㎜、フタを大きくしました。
それにどの位置に指をかけても大丈夫なので気が楽ですし、見た目もさほど気になりません。
【畳の裏が桐板です。調湿性力は杉に優ります】
改善点②
フタが大きくなって重くなったので、畳の裏の板を軽い桐製にしました。かなり軽くなりますよ。
ただし、桐は杉よりも重さなどには耐えられないので、補強をいれました。
その補強の横桟を利用して、フタオープン時のつっぱり棒も木でつくりました。
以前は、ステンレス棒とネジの一点支持でしたが、横桟に掛けるのでどこでも支えることができます。
まさしく、家具職人さんの心遣いです。
ただ、収納を増やせばよいのではありません。限られた空間をうまく使って多目的に使える家具をこれからもご提案したいのですが、そのためにはやはりお部屋を見せていただいてからということになりますね。
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