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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

民間分譲住宅事業をストップさせかねない「広島市安佐南区の山津波」

2014年8月21日 公開 / 2020年4月24日更新

コラムカテゴリ:住宅・建物

これが地球温暖化の猛威なのでしょうか?
気象庁やマスコミから「想定外の…」という言葉が聞かれて久しいのですが、今回もまたとんでもない想定外の大惨事が起こりました。私の記憶では、国内の一つの自然災害でこれだけの死者が出るのは2011-03-11の東日本大震災以来ではないでしょうか?

東北では津波に備えた街づくり進んでいます。仙台で住宅産業に従事している後輩の話ですが、被害にあった沿岸部の土地諸問題が解決しないこともあって、津波を避けるために新たに高台に住宅を再建しようとしているそうです。
また、近畿・四国の太平洋沿岸都市では行政の拠点や避難所を津波の影響のないところまで移設する動きが広がっています。


【しっくいと地域材で建てた篠山のT様邸】

そんな最中に起こったこの大参事、被災者の方は正直「いったいどこに住んだらよいのだ」とどうしようもない自問自答を繰り返しているのではないかと心が痛みます。
水を含むともろい土質であると専門家は述べていますが、このような土地は日本全国にいくらでもあります。
明日はわが身ではないかと考えるとどうしようもない気持ちになる人もおられると思います。

最近のわが国にはもうひとつの住宅災害があります。そう、竜巻です。
戸建住宅は津波で基礎だけ残して建屋が押し流されました。竜巻では屋根ごと空に建屋が吹き飛ばされました。
今回の山津波では、地面と基礎・建屋丸ごと押し流され、つぶされたのです。
自分の土地がどこにあったかもわからなくなるほどの状況でしょう。

いささか突拍子な提案になりますが、鉄筋コンクリート造のマンション工法をベースに民間分譲事業を立て直してはどうでしょうか?
特にマンションは高層が多いので、基礎の下の強固な支持層(岩盤)まで杭を打って建屋と連結させます。
基礎も鉄筋コンクリート、床壁天井も鉄筋コンクリートなので数少ない事例が示している通り、地震も含めて大きな自然災害でもしっかり残っています。住空間という箱が崩れなければ人が命を落とす危険はかなり回避されます。


【国産材で建てた西宮のF様邸】


【高知県産材で宮本鉄男環境建築設計事務所が設計監理した戸建住宅】


【高知県産材でヤマモトヒロムデザイン事務所が設計監理した戸建住宅】

日本の国産材を活用する話とは一見逆行しますが、日本の民間分譲業者はほぼ外国産材を使っていますから、減りはしません。勿論、単純に建築コスト増にはなりますが、災害に強い住宅普及に関する法律を作って国が支援するのです。
もちろん、内装材は建築地の地域材又は国産材を条件に入れれば、地域経済の再生に大きく寄与します。

こう大きな自然災害が立て続けだと、民力が疲弊して行政の支援が焼け石に水になります。
業界再編にも成りかねない大きな話ですが、一部の法外な利益をむさぼっている会社がその業界で幅を利かせている間にも、こうして被害にあう人が後を絶たないのです。

鉄筋コンクリートと国産材で災害国家にふさわしい住宅を官民あげて考える時期に来ています。

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