アクリル人造大理石浴槽のリニューアル

髙岡恭平

髙岡恭平

築25年の中古マンションを買われた方から、「ちょっと浴槽を見てほしい」と相談があり、現地調査をしてきました。訪問したマンションは、分譲当時はきっと億ションだったに違いない高級マンションで、垂水区塩屋町の小高い丘から悠々と海を見下ろす、眺望の素晴らしい立地にありました。

専有面積も130㎡を超えるゆとりの4LDKで、キッチン、洗面室、トイレ、浴室などの設備はいずれも2ランクくらい上の豪華仕様でした。浴室は700×1400の大きな浴槽が悠々と入るタイル張り浴室でしたが、この浴槽が問題だったのです。



まるで浴槽が水疱瘡にかかったようです。私は見た瞬間に気持ちが悪くなりましたが、大小の気泡があまりにも浴槽の隅々にあったために、模様かもしれないと勘違いされていたのです。

この浴槽はアクリル人造大理石製で、25年前は特に高級品として扱われた商品です。
それなのにこの有様はどうでしょう。保証期間が過ぎてからしか、このような現象は起きませんが、こんな粗悪品を高級商品として販売していた大手メーカーは、事実を把握して対処しているのでしょうか。
前所有者は、新築時からお持ちだったそうですが、マンションの売り主や設備メーカーに文句を言わなかったのでしょうか?

ぶつぶつの原因は、たぶん浴槽の基盤とアクリル樹脂の間に水分が入り込み、これが徐々に膨張して樹脂を押し上げたのだと思われます。

最初の工程は表面をひたすら削る作業になります。しかし、アクリルは硬い。粗い(60番)ペーパーで始め、最後は180番くらいでした。何枚も使いながら約2時間を削る作業に費やしました。FRP浴槽ならとっくに浴槽に穴が3つくらい空いている作業量です。

難しいのはどこまで削るかの判断です。今回は真っ平にできない事情がありました。盛り上がった部分は中がひび割れているので、完全に表層を削って平らにすると、カニの巣穴のような小さな穴が無数に現れて、浴槽の耐久性に影響が出ます。



それでも写真のように、浴槽床の滑り止めのラインは全て取り除きました。次にプライマーを表面に吹き付けます。これは、次の工程で使うパテとの密着性を高めるものですが、プライマーをふくとカニの巣穴が全て明らかになります。



削りきれなかった部分をできるだけ平らにするために、いつもより多めにパテを塗っていきました。ベテランの職人さんが「心が折れそうだった」と笑っていました。ここで第1日目が終了です。



一晩乾かしたパテの表面を滑らかに研磨して、塗料を吹き付けます。再び一旦数時間乾かしてから光沢を出すためにクリア塗装をし、最後に目の細かいペーパーで磨き上げます。



お客様には、「あんなに安かったのに、まるで新品に入れ替えたようだ!」ととても喜んで頂きました。

今回はアクリル人造大理石で浴槽が大きく、補修部分が多かったのですが、浴槽そのものを入れ替えるとすると、床壁のタイルを剥がさないとできないので、最低でも150万円はかかるでしょう。5分の1以下で済みました。

新築後15年から20年程度のマンションであれば、浴槽の基盤自体はまだ問題ないので、10年くらいの使用をめどにするならとてもお得な方法です。色が240色から選べるのもいいですよ。

実際にリニューアルした浴室をご覧になりたい方は、当社のモデルルームへお越しください⇒http://forestreform.co.jp/about/modelroom.html

このように森林浴生活では、杉と桧でお部屋をリフォームするだけでなく、古くなりかけた浴室、洗面化粧台などをお得な価格でリニューアルすることができます。

杉と桧のマンションリフォームのホームページはこちら⇒http://forestreform.co.jp/top/index.php

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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