心に響くスピーチの極意【野田首相と小泉元首相のスピーチ】
「あがってしまう」要因である「声の不安」を取り除くためには、まず、「呼吸が安定していること」が大切です。
「深呼吸しなくちゃっ」と焦って、浅い呼吸を繰り返すのは、逆効果。
声も気持ちも落ち着かせようと思ったら、効果的なのは「腹式呼吸」です。
おへそから指4本くらい下にある「丹田(たんでん)」に軽く手を当て、そこがへこんでいくように、息を細く長く吐いてみましょう。
はじめは、10秒で吐き切るくらいで構いません。慣れてきたら、15秒、20秒と吐く時間を延ばしていってください。
息を吐き切ったら、鼻から軽く3秒くらいで息を吸います。
吸った息は、胸にとどめず、丹田まで吸いこんで、もう一度丹田が膨らむようにしましょう。
丹田に2秒留めたら、また口から細く長く吐いていきます。
3秒吸って、2秒溜めて、10秒吐く、の15秒を1セットにして、これを3回繰り返します。
腹式呼吸は深い呼吸なので、脳にセロトニンが分泌され、気持ちが落ち着くと言われています。
また、声のエネルギーである息をしっかりと取り込むことで、声が安定します。
人前で話すときにも腹式呼吸を心がけ、少なくとも、第一声の前に、軽く「息を吐く」ことを実践してみてください。
息を軽く吐いてから、落ち着いて、話し始めてみると、安定したまろやかな声が出ます。
自分の声が落ち着いていると、気持ちもスーッと鎮まってくるものです。
聞きづらい声は、聞き手のストレスにもなります。
呼吸、声の状態を整えて、話し手も聞き手も内容に集中できるようにしましょう。