中抜きサンドイッチ法!

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

今回は会社あるあるのお話です。成果を横取りする、おそらく全国津々浦々、現在進行形の話も多々あることでしょう。ただ、嘘つきが横行する一方で、担当者のモチベーションは爆下がりとなる、百害あって一利なしであることは強く認識すべきと考えます。『失われた30年』とかゴチャゴチャ言っているぐらいなら、目の前にある改善点を一つ一つ解決すべきと考えます。

突然テーマがやって来た

前職時代のお話です。
中途採用で入社して、まずは透明樹脂材料の研究に従事しておりました。

(新規樹脂材料の合成と光学用途への応用)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/9/64ed54847019d9.pdf

ある日のことでした。
突然上司より、新しいテーマに取り組むように言われました。
そのテーマ、元同僚がやっていたのですが、あまり成果も出ないので、担当者を変えてみるということでした。
後でわかったことですが、いわゆる敗戦処理のためにお鉢が回って来たようでした。

独自のアイデアを吹き込んだところ…

そんな敗戦処理だったことなんぞ知る由もなく、普通に目の前にあるテーマを地道に取り組み、アイデアを絞り出しては実験を繰り返しておりました。
すると、ある時ブレイクスルーが起こり、トヨタ自動車に採用されるまでに至りました。(下記資料の87ページ目)

(自動車におけるCFRP技術の現状と展望)
https://www.nisri.jp/jisedai/docs/lecture_20120312_kageyama.pdf

更に新聞記事にもなりました。

(化学工業日報)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/8/64ed54962b7808.pdf

突然の降板

すると、突然上司からテーマを降りるように言われました。
前任者の元同僚、元々は大手企業から上司が引き抜いてきた人材でした。
上司としては、元同僚が優秀であることを無理くりでも示したかったようです。
そして、あちらこちらで『開発品がトヨタ自動車に採用されたのは元同僚の手柄!』とふれ回っていたみたいです。
しかし、おっとどっこい、実際にアイデアを絞り出し、汗水垂らした側としては、たまったもんではありません。
当時、このような上司のやり方を『中抜き、サンドイッチ法』と名付けました。

コツコツやりいな

そして、自宅に帰ると、ついついぼやいてしまいました。
それを聞いた家内は『アンタにもええとこあるんやで。まぁ、コツコツやりいな。』とだけ言いました。
その時、閃きました。
『そうか、そういうことか…』
既に実施はしておりましたが、報告書の作成をそれまで以上に詳しく、タイムリーに進めるようにしました。

歴史は繰り返す

歴史は繰り返すものです。
程なくテーマは戻って来ました。
その後もPDCAサイクルを繰り返し、評価に当たる『報告書の作成』には特に力を入れました。
その結果、下記のような成果につながりました。

(常識を覆す熱可塑性エポキシ樹脂と高強度FRPへの応用)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/6/64ed54b0ef94e6.pdf

(熱可塑性エポキシ樹脂の開発)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/7/64ed54a280f337.pdf

(可視光に対して透明性を有する熱可塑性エポキシ樹脂硬化物の製造方法及び熱可塑性エポキシ樹脂組成物)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/10/64ed5472120ba10.pdf

現在の基礎ができた

そんなこんなで前職時代には報告書が400報以上となりました。
もちろん、最初からうまく書けたわけでもなく、全て我流で試行錯誤の連続でしたが、報告書を営業社員と共有したところ、研究開発のスピードと成果は飛躍的に伸びました。

(技術と営業が協力すれば最強となるはずだが…)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5224712/

あるいは、現場作業員のモチベーションを上げ、エラーの低減にも一役買いました。

(知りたいことは素直に教えてもらいましょう。)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5147624/

技術は盗むもの?

元々、前職の会社には『技術は残すものではなく、盗むもの』という気質が強いものでした。
そう言えば、当時の上司が成果を元同僚のものとしてふれ回ることなんぞ、嘘つきのすることです。そう、『嘘つきは泥棒の始まり』と言いものです。
となりますと、『技術は盗め』と奨励している会社には、『そんな盗人が居てもおかしくない』という論法に帰結します。
そんな悪しき文化を断ち切ろうと考えましたが、うまく行きませんでした。
当時の管理職から総スカンを喰らい、現在の自営業を始めることになりました、
その顛末については、下記に書いております。

(しっかり読んでくれたことも…しかし…)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5151814/

上記経験も踏まえながら、この先も様々ご支援を行って行きたいと考えております。

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

原料や素材の研究開発、製造工程、PRなどに関するお困りごとをサポート致します。専用の実験室で実証実験や試作も可能です。技術系社員の育成、技術承継のご相談なども承ります。博士(工学、1997年大阪大学)

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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