もはや絶滅危惧種?見合い屋のババア!(2)
皆様方、お世話になっております。播羊化学研究所の辻村でございます。
前回、「知っていることは素直に教えましょう。」について申し上げましたが、今度は「知りたいことは素直に教えてもらいましょう。」について申し上げたいと思います。
大学院生の時のことでした。
非常に優秀な先輩がいました。
入学試験の点数が過去最高で、半分にしても余裕で合格できるような人だったそうです。
その人が言っていました。「知らないことは決して恥ずかしいことではない。知れば良いだけだ。」
不合格品の原因を探ると…
その後時は流れ、勤務していた会社での出来事です。
それまで基礎的な研究開発の仕事が多かったのですが、既に実際の製品が展開されていて、改良などのテーマを担当することになりました。
その製品の一つがトラブルを抱えていました。
不合格品が発生すると、半額で販売していたようです。
製造上の問題であることは間違いなかったのですが、過去何代もの担当者が変わっても、解決できていなかったトラブルでした。
ただ、過去の担当者と私には大きな違いがありました。
私は、そのテーマについては、全くの初心者で、背景も含めて全て無知だったことです。
何をどうして良いものか?もわからないので、まずは製造現場に行って、そもそもどういった製品なのか?を教えてもらうことから始めました。
現場へ行って、パートの作業員に尋ねると、「待ってました!」とばかりに、いろいろ話をしてくれました。
元々、他社で生産していたものを、その会社で製造しなくなり、引き取った製品であることや、冬場に不良が発生しやすく、季節要因があること、などでした。
なお、他社の時代では、冬場はハロゲンヒーターを使っていたようですが、引火の危険があるので、加熱は行っていないとのことでした。
そこで、作業をスチームで暖房を行う作業場で行うことを提案しました。
ただ、その場所を使うには、部屋が狭く、製造に使う道具類が大きすぎて、難しいことがわかりました。
そこで、営業担当者に製品の大きさを小さくする可能性について尋ねたところ、問題はないとのことでした。それに合わせて、道具類も小さくすることで、解決への道筋ができました。
ところが、その後、その製品群そのものを廃止するという決定が上層部でなされ、改善策は幻となりました。
コミュニケーションの大切さ
それでも現場とのコミュニケーションは続きました。
ある時、製造現場へ行ったところ、とある製品を作っている真っ最中でした。ただ、現場作業員は「何に使う製品なのか?」もわからず、ひたすら手順書を見て作業をしているだけでした。
その製品は品番の頭のアルファベットの文字が、とある自動車会社の頭文字と一致しており、その自動車会社向けのものでした。
そのことを現場作業員に伝えると、非常に納得した様子でした。
その後、モチベーションも上がり、作業効率も良くなったそうです。
また、製品に関係するテーマについて、実験室で行っていた基礎検討をまとめた報告書を現場作業員にも見てもらうことにしました。基礎検討は失敗も多く、必ずしも製品の製造工程の改良には辿り着けないことも多いのですが、それでも現場の関心は強く、必要な情報であることがわかりました。
至る所で高い壁が…
そんなこんなでした。
コミュニケーションの重要さは殊更言うまでもないことです。
しかしながら、その後も至る所でコミュニケーション不足を見て来ました。
自営業を始めてからでも、やたら複雑な書式を作って、修行のようなことをさせて書類を作らせている会社さんがありました。これでは作るのも、見るのも大変です。
あるいは、書けば数行で済むような内容を、口頭で長々と喋り、しかも複数の相手に伝えなければならないのに、一人にしか言わない、そんな会社さんもありました。
教えるべきことも素直に教えず、知りたいことも素直に尋ねないでいると、閉塞感が充満していくだけで、わざわざ高い壁を作っているようです。
「知っていることは素直に教えましょう。」
「知りたいことは素直に教えてもらいましょう。」