絹のハンカチーフ
皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。
ふとしたことがきっかけとなって、叔母から一つの新聞記事を紹介されました。『フェア・ゴー』についてです。この言葉の意味については、記事に書かれているように、『スポーツ大国の豪州では「フェア・ゴー」という言葉をよく聞く。「公平な扱い」の意味だが、社会の誰もが平等に機会を与えられるべきだという国是の精神だ。』とあります。その一方で、この日本ではサッカーの小学生の大会で2割が試合に出れなかったそうです。
大人の持論や要求、自己満足のために…
記事の中で最も気になった箇所が『背景には勝利主義があるようだが、未出場の小学生たちの気持ちを思うと胸が痛む。子供はサッカー好きで始めたのに、大人の方が勝ちにこだわっていないか。』要は大人の考えのみが優先された結果、子供たちが犠牲になったということなのでしょうか?大人の理屈で目先の欲求を満たすことにばかりに囚われ、木を見て森を見ずになり、更には将来に禍根を残すようなことは絶対に避けなければなりません。
40年以上前に…
私自身、大人の自己満足のために酷い目に遭ったことがあります。中学生の頃、アトピー性皮膚炎を発症しました。なかなか治らない中、母親がとある医者の講演会聞き、受診しました。まず勧められたのがどこぞの道場へでも行って、断食をすることでした。体の中の毒素が全て追い出されて治るということでした。ただ、まだ中学3年生でしたし、長期間学校を休んで断食するわけにも行かなかったので、極めて厳しい食事制限をしながら、漢方薬も服用して治療をすることになりました。
一旦悪くなる?の怪
ところが、症状は加速度的に悪くなりました。最初は手だけだったズル剥けが全身に広がりました。ガーゼと包帯を使って体の汁を食い止めようとしたところ、ミイラのようになっておりました。また、そのガーゼを外そうとすると、激しい痛みに襲われ大変な苦痛でした。ところが受診すると『あ~良くなっている』と言われました。どう見ても酷くなっているのに…です。それにしても一部の漢方関係者の間では、必ずと言っても良いほど、『一旦悪くなってから良くなる』という説が信じ込まれています。体中から吹き出て来る汁が排出されることで、どんどん体内の毒素が出て、行きつく所まで行けば治る???どういうメカニズムなんでしょうか?そこで東洋医学系の大学教員複数に尋ねてみましたが、未だに明確な回答は得られておりません。更に食べ盛りなのに、極端な菜食主義を強いられました。良く覚えておりませんが、例えば小松菜をミキサーで混ぜた生ジュースとか、そんなのものがあったと思います。時々『体に良いレシピ!』と称して、如何にも美味しくなさそうなものがホームページとかにありますが、その類です。書いた人、本当にそんなものばかり食べているんでしょうか???その後も別の次元で全く魅力のないメニューばかりをゴリ押しする医者には何人も遭遇しましたが、共通する点は食事制限の話をする時は突如非常に晴れやかで嬉しそうな顔つきに変貌することでした。
悪徳健康ビジネスの走りだったか?
それしても健康保険が適用できない漢方薬は高価なものでした。しかも効くどころかどんどん悪くなるばかりです。受診しても相変わらず『良くなっている!』を連呼するばかりでした。ところが3か月ほどした時に、さすがにこれは?と思ったのでしょうか?それまで『塗り薬は全く効かない!』と叫んでいたのに、突如『肌をすべすべにする薬!』と言って深紅の薬を出してきました。もちろん保険適用外です。医者は『これは非常に貴重な薬!』と言わんばかりに、やたら勿体ぶったことばかりを言っていましたが、何のことはない、単なる紫雲膏でした。更に無農薬の米を食べるように言われました。契約している農家があるとかで、超高価な米を買え!と言われました。このようにセミナーを開き、その場で自らの著作を売りつけ、効かない漢方薬を処方、そして無農薬米の押し売り…もうこうなりますと、人の弱みに付け込む『悪徳健康ビジネス』の走りだったとしか思えません。
高校生活も台無しに
ひょっとすると、その医者の言う通りにして、学校も行かず、受験もせずに、ひたすら断食道場で過ごしていれば、数年後には完治して、その医者のご満悦な顔を拝むことができたかもしれません。その医者は『それ見たことか!』と喜ぶでしょうが、私の人生は今とは随分違ったものになっていたでしょう。その医者にとって、患者の人生など、どうでも良いことで、自らの欲求だけが関心の的。患者の運命がどうなろうと関係なかったのです。儲かれば良かったのです。結局、このままではダメということで、数ヶ月間でその治療を止め、医療機関を変えました。ただ、悲しいことに『時遅し』でした。学校で実技の授業はは参加していなかったので、内申点はゼロでしたし、その他の教科も成績が大幅に下がっていました。また、医療機関を変えたところで直ぐに改善されるわけでもなく、極端に眠くなる強い薬が出て授業もまともに聞けなくなり、悪循環が続きました。受験も京都市内の仏教系の私立高校専願となりました。最悪な日々は高校でも続き、楽しみにしていたクラブ活動にも参加できず、ブラックな日々の連続となりました。
そのあたりについては下記にも書いております。今でしたら、さっさと退学して、単位制や通信制の高校へ転校したものですが、そんな時代でもありませんでした。そして大学に入ってから『検定を受けて通れば大学受験ができる』ことも知りましたが…
(生臭坊主から得たものとは?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5150368/
トラウマに
そんなこんなで高校時代の悪夢は完全にトラウマとなりました。時々、明けても暮れても高校時代のクラブ活動のことばかりを宣う芸人がいます。他に喋る事はないのでしょうか?非常に不快です。そんな輩がテレビに映ると即座にチャンネルを変えるか電源を切るかにしております。まぁ、将来に禍根を残すとはこういうことなのでしょう。
ひっくり返った
そんな中、1年少し前にミュージシャンのGACKTさんのXのメッセージを見つけました。これまでGACKTさんと言えば、やたらキザっぽくて、最も嫌いな芸能人の一人でした。ところがそれが一変しました。高校時代にうまく行かなかった人たちを励ましていたのです。自分のことしか考えない上記芸人とかとは真逆でした。この一件でGACKTさんへの見方が完全に変わりました。その時のメッセージを以下に引用します。
『良い友人に恵まれ、部活に勉強に恋愛に、青春を謳歌できた卒業生。
素晴らしい学生生活を送れたことに感謝し、この先も突っ走れ。
卒業おめでとう。
自分はその逆だと思った卒業生。
卒業おめでとう。
その経験は必ず、この先の人生の活力に変えられる。
学校内の友人関係や経験が人生の全てでは決して無い。
大人になればどれだけ世界が広いのか、どれだけ沢山の人間がいるのか分かる。
いじめられた、勉強ができなかった、運動ができなかった。
だから?
そんなこと、これからいくらでもひっくり返せる。
いつの日か、小さな悩みだったと笑える日がくる。
その劣等感や孤独、行き場の無い焦燥感と将来の不安が人生を大きく変えるきっかけになったりするんだ。
青春を謳歌できなかったと思い込んでる卒業生。
卒業おめでとう。
それもまた、青春。
これからの活躍を心の底から楽しみにしている。
沢山の素敵な笑顔をありがとう。
午後9:53 · 2024年3月2日』
https://x.com/GACKT/status/1763910393460900260