空き家の活用方法は「貸す・使う・売る」の3パターン
住む人がいなくなったとしても、住まいは大事な財産であることに変わりはありません。
資産価値や安全性、快適性を保つために、適切なメンテナンスは不可欠です。そもそも、空き家の管理は、所有者の義務として法律にも定められていることです。
今回は空き家をお持ちのみなさんに、メンテナンスを行うための方法やその流れなどをお伝えいたします。
空き家のメンテナンスとは
建物は人が住んでいない状態で放置すると急速に傷んでいくものです。
さらに景観や治安、衛生面の悪化によってご近所に迷惑をかけてしまいます。こうした事態を防ぐためには、適切にメンテナンスを行うことが大切です。空き家のメンテナンスとは、単に維持管理というだけではなく、各部位の定期点検、必要に応じて補修や修繕、防犯、防災対策、掃除や手入れなど、すべてを含みます。
建物内部はもちろん、外回りや目に見えない部分にも気を配る必要があります。
メンテナンスを行う前に
作業を行うときは汚れてもいい、動きやすい服装に着替えておきましょう。
用意するものとしては、ゴミ袋・軍手・掃除道具・カマ・枝切りハサミ、スリッパ、懐中電灯などです。
空き家管理においては、変化を発見することが重要ですので、要所を撮影し記録しておくことも大切です。異常を発見した場合なども、撮影しておくと業者に依頼するときなどに便利です。
また、もしもの時のために、火災保険にも入っておくようにしましょう。
ご近所への対応も大切
空き家といえども、普段からのご近所付き合いは大切です。現地に行ったときは、挨拶をしておくのが望ましいです。
声をかけずに作業をしていると、「空き家から物音が・・・」と不審に思われることがあるかもしれません。
また、ご近所の方と接点を持つことで、最近の治安はどうか、近くで空き巣や放火の被害がないかといった情報収集もできます。
そして、空き家が迷惑をかけていないかなどもたずねておきたいものです。連絡先も伝えておくと良いと思います。
空気の入れ替えからスタート
玄関を開ける前に、きちんと施錠がされているか確認してから入るようにしましょう。
はじめに行うのが部屋の換気です。すべての窓を開放し空気を入れ替え、湿気を逃がします。野良猫や害虫が侵入する怖れがありますので、網戸は閉めておくほうが良いでしょう。
タンスや押入れ、収納なども開放することを忘れずに。
これらの場所は開放しても空気が通りにくいので扇風機で送風したり、除湿器をかけたりして、カビが繁殖するのを防げるように注意をはらいましょう。
敷地内の作業
換気をしている間に敷地内の見回りをしましょう。主なチェック箇所は次の通りです。
〇ポスト
ポストにチラシや郵便物がたまっていないでしょうか?
郵便物がたまっている状態では、長期の不在をアピールしてしまい、いたずらや侵入、ごみの不法投棄などを招いてしまう危険があります。
〇庭
庭にごみが捨てられている場合は持ち帰って処分をしましょう。伸びた庭木はトラブルの元です。道路にはみだしてないか、隣家に侵入していないかを確認しながら、庭の手入れを行いましょう。
〇水道メーター
給水管を調べることはできませんが、すべての水栓を締めて水道メーターを確認することで漏水の発生がわかります。
水道を使用していない場合は、メーター内部のパイロットは静止したままです。廻っているとどこかで漏水している可能性があります。
〇建物の外側
壁、雨樋、基礎の部分などに亀裂がないか目視で確認し、気になるところがあれば触ってみましょう。また軒裏に破損がないかも確認しましょう。破損していると、雨水が侵入したり、風の強い火に軒裏材が飛ばされたりすることがあります。
〇外壁
古いブロック塀は見た目に問題がなくても、触ってみるとぐらつく場合がありますので注意が必要です。
室内での作業
家は使用していなくても汚れていくものです。定期的に掃除をして、きれいな状態を維持しましょう。不要な家具、家財道具は少しずつでも処分していくことをおすすめします。
〇雨漏り
天井や床、壁などを確認し、雨漏りしていないかをチェックします。部屋の四隅や増築部分の接合箇所で雨漏りは起こりやすいので特に注意してください。
〇建具
襖や押入れ、窓など、造作に問題がないか開閉をして確認しましょう。網戸の破損や錆びなどもチェックをしておきましょう。
〇封水
水が流れる頻度が少ないと、排水管の中の水が蒸発し、下水から悪臭が上がってくることがあります。水道が使用可能ならば、1分程度、水を流しましょう。
〇戸締り
帰宅する際は開けた窓をすべて閉めましょう。締め忘れのないよう確認し、最後は外から戸締りを確認しましょう。
ときどき風を通すだけでも、家の傷み具合が変わってきますので、定期的な手入れは行いたいものです。
また、地震や台風など災害の後は、すぐに異常を確かめに行く必要があります。
空き家が遠方にあり、ご自分で管理のできない方は、管理業者に依頼することも検討しましょう。