脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)とは
以前のコラムで、相手方が強気な主張をする傾向を感じると書きました。
交通事故の事案でいえば、相手方の保険会社にも同じような印象を感じます。
見通しを立ててアドバイスします
私たち弁護士は、交通事故の被害者の方から相談や依頼を受けた場合、裁判で勝てるかどうかという先々の可能性を考えて、アドバイスしたり、方針を決めたりします。
裁判を起こすまでに至らず、相手方の保険会社と交渉する場合でも同様です。
最近の保険会社の傾向
しかし、最近、保険会社と裁判外で交渉していると、これは裁判になればほぼ認められるだろうと思われる項目であっても、保険会社が正面から争ってくるケースが増えてきた気がします。
とにかく強気で譲らない、という姿勢です。
どうしてこのような態度なのか、理由は、正直よくわかりません。
私なりに推測してみると、次のような理由が考えられるのではないかと思います。
会社の利益が目的
一つは、保険会社も会社なので、利益を上げることを重視して、少しでも支払い金額を安くしようという気持ちが働いたということです。
これは、裁判では通用しないかもしれないとわかっていてあえて争ってくるわけですから、ある意味確信犯であるといえます。
社内ルールが正義?
もう一つは、「本当にその言い分が正しいと信じ込んでいる」という場合です。
これは、保険会社の担当者が、社内の内部ルールが裁判の場でも正しく認められるものと信じ込んでしまっているのではないかという、私の想像です。
保険会社の担当者の中には、担当するケースのほとんどがおとなしい被害者ばかりであるため、社内ルールに疑問を持つ機会すら得られない人もいるのかもしれません。
自分が信じ込んでいる社内ルールに異論を差し挟んでくるような、弁護士のような人を相手方にする経験があまりないと、気づくチャンスがないのかもしれません。
本来は、確信犯で通用しない言い分を述べている方が悪質であるような気がしますが、こと紛争の相手方として対応する場合には、「思いこみによる善意の間違い」の方が非常にやっかいです。
自分が正しいと思い込んでしまっているため、こちらがいくら説明しても聞く耳を持ってくれないからです。
自分が普段体験していることが世の中のすべてであるなどと思わずに、常に自分を客観視できる能力を持つことは、実はとても大切なことなのではないかと思います。
私も、自分を客観視する姿勢を忘れないようにしたいと思います。