交通事故に遭ったときなぜ早めに弁護士に相談した方がよいのか?
自賠責保険で後遺症の認定を受ける場合の最高等級は1級、最低等級は14級です。
後遺症認定では、各級の中でも、体の部位ごとなどに区別されて認定されるのですが、14級でよく問題となるのは14級9号の「局部に神経症状を残すもの」という神経系統の障害です。
後遺症の認定
さて、14級9号が認定されるケースでは、実際にどんな文書で通知が来るのでしょうか?
通常、だいたいこんな感じです。
「・・・は、該当しません。もっとも、・・・一貫した症状を訴えていることから、将来にわたり残存するものとして14級9号に該当するものと判断します。」
認定されない場合
認定された場合は、被害者にとって好ましいことなので、あまり問題にはなりません。問題は、非該当と判断された場合です。
「・・・は、該当しません。また、・・・諸般の事情を考慮しても該当するものとは判断できません。」
みなさんは、これを読んでどう思いますか?
自分が交通事故に遭い、痛みやしびれなどの症状が残っているときに、こんな文章を受け取ったと想像してみてください。
きっと、納得できないだろうと思います。
それは、ここには「医学的根拠に基づく合理的理由」が書かれていないからです。
理由が明確でない
本来、14級9号の「局部に神経症状を残すもの」は、「障害の存在が医学的に説明可能なもの」と理解されています。
先ほどの等級非該当の場合の等級認定の文書をもう一度読んでみましょう。
「諸事情」とは書いてありますが、「医学的に説明がつかない」とは書いてありません。
つまり、医学的根拠に基づいた判断をしたのかどうかが、文言上は全く読みとれないのです。
後遺障害の等級認定を申請する方というのは、当然何らかの症状が残存している自覚があるからこそ申請しているわけです。
つまり、交通事故の影響による何らかの苦しい状態を抱えているわけです。
もちろん、苦しいからといって全て等級認定されるべきであるとはいいません。
現存する症状が、事故によって身体に生じた異常によって発生していると医学的に説明がつかないようであれば、残念ながら事故による後遺症とは認められないでしょう。
ですが、苦しい思いをして申請している人に対して、その人に理解できるような医学的説明も示すことなく、「諸般の事情」により該当しないと示すだけでは、被害者が納得しないのは当然です。
もし、後遺障害の等級認定が医学的根拠に基づいてきちんと行われているというのであれば、今からでも遅くありません、ぜひ、具体的な医学的根拠を示して「症状と身体の異常の整合性が医学的には説明がつかないから後遺障害には該当しない」と、丁寧に説明してほしいと思います。
自賠責保険の運用が、被害者のために適切に変わっていってくれることを望んでいます。