弁護士の使い方 ~紛争予防のためのパートナーとして~
以前のコラムでお話ししたことと重複しますが、弁護士をはじめとする士業の「専門」表示については、正しい知識を持ってご覧いただかなければ思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
弁護士の「専門」は自己申告
「専門」というと、通常イメージするのは「その分野に精通している」という意味だと思います。
しかし、弁護士の「専門」とは、弁護士会や第三者機関のようなところが認定しているわけではありません。個々の弁護士が自分で標榜しているだけというのが実情です。
ですから、まず、弁護士の専門性についてはこの「自己申告」ということを知っておいていただくことが重要です。
ネット上の「専門」にもご注意を
同じく、専門を認定する第三者機関が存在しているわけではないので、各自のホームページ上の表示ばかりでなく、広告や、第三者が運営するポータルサイトなどでの「専門弁護士」という表示も気をつけなればなりません。
第三者が運営するサイトでの表示であっても、専門性に関する客観的な基準があって選ばれたわけではありません。
こうしたサイトの場合、士業の側が広告料を支出して有料で掲載していることもありますから、単に「高い広告料を払っている」ことがそのページでの評価の高さとなっている可能性があるのです。
以前もコラムで書きましたが、弁護士の専門性というのは、あくまでも各弁護士の自己申告による「その分野に関心を向けている」という意欲の表れとしてご理解下さい。
安易に「専門」という言葉に飛びついたりしないよう、気をつけていただければと思います。