相続の落とし穴 ~再婚後の養子縁組~
遺言を書いた方がよいといわれても、何を書いていいのか分からないという方もいらっしゃると思います。
実際にはケースバイケースのことが多いため、本当は直接ご相談にいらしていただきたいところですが、少しだけご紹介します。
「誰に」「何を」「どのように」をはっきりと
まず、「誰に」「何を」「どのように」残したいのかを、はっきりさせることです。
自分の持っているどのような財産を、誰に、どのくらいの割合で相続させたいのかを明確に書く必要があります。
例えば、
「土地の半分を長男○○に相続させる。」
これでは、土地を共有しなさいという意味なのか、分割しなさいという意味なのかわかりません。分割だとしたら、縦に線を引くのか、斜めなのか、線引きが全く分かりません。
もう一つ例を。
「預貯金を子供達に分け与える。」
これでは、ますますよくわかりません。
預貯金は各金融機関ごと、支店ごと、預金の種類ごとにきちんと分類すべきですし、子どもたちも複数いれば、できる限りそれぞれ特定した方がよいです。
さらに、これでは、どのくらいの割合ずつで分け与えるのかわかりません。
まずはとにかく、「できる限り区別して明確に書く」ということを意識していただければと思います。
少し変わった遺言内容
ところで、遺言は、財産を分けるだけではありません。
生前には様々な事情で認知することができなかった子に対して、遺言の中で認知をする「遺言認知」ということも可能です。
また、遺言に書いてある内容をきちんと実行してもらう「遺言執行者」を、あらかじめ遺言の中で決めておくこともできます。
せっかく遺言を作るのであれば、自分の信頼できる人を選んで、その人を遺言執行者とする旨の内容を遺言に入れておくことも、考えてみてよいのではないでしょうか。