年中行事としつらい
住宅を建てたいと思うのだけど、今いいなと思っている住宅メーカーはどうなのでしょう?そのような質問を受けることがあります。その時は、住宅メーカーの標準仕様の内容と標準金額についてコメントをしたりしているのですが、合せて、「住宅かし保険」と「住宅完成保証制度」の情報をお伝えするようにしています。
「住宅かし保険」は新築の場合、住宅瑕疵担保履行法で、建設業者は瑕疵担保責任を確実に履行するため保険または供託による資金確保が義務づけられていますので、ほとんどの住宅メーカーや工務店が登録されています。国土交通大臣が指定している保険法人は、現在「株式会社住宅あんしん保証」「住宅保証機構株式会社」、「株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)」「株式会社ハウスジーメン」「ハウスプラス住宅保証株式会社」5つで、保証内容はどこも同じ内容となっています。保険料は建物ごとに保険会社に支払うことになりますが、施工業者、建て主どちらが支払かうかは法律で決まっていないので、請負契約前に施工業者に確認しておく必要があります。
また、新築は法律で義務化されていますが、リフォームは、保険加入などが義務化されていないので、屋根や外壁などのリフォームにもかし保険があることを知らされていないケースも多いようです。住宅メーカーや工務店が登録されていないと使えない保険ですが、施主側から保険適用について希望を出してみても良いと思います。
登録されていない施工業者でも保険法人の審査がありますが、審査にパスすれば、登録工事会社になってもらうことも可能です。一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 の「登録リフォーム事業者検索システム」で検索すると2013年4月1日現在で、リフォームかし保険の登録業者数は、札幌市183社、小樽市7社、江別市3社、石狩市4社です。
リフォームかし保険の保険内容は法人ごとに違いますので、それぞれの内容を確認していく必要があります。全体のしくみについては、国土交通省のホームページの中にリフォームかし保険という項目があるので、そこを読んでみるとよいと思います。
住宅瑕疵担保履行法で義務化されていない新築時の保証制度として工事中の業者の倒産に対応した「住宅完成保証制度」というものがあります。この保証制度については、住宅メーカーや工務店側から積極的に説明されるケースは少ないので、建て主側から保険適用について希望を話されると良いと思います。この保険の趣旨は住宅建設業者が倒産等により住宅工事を継続できなくなった場合に、建て主の負担を最小限に抑えて住宅完成をサポートするということになっています。
株式会社住宅保証機構では「住宅完成保証制度」という保険商品があり札幌市内6社登録
株式会社住宅あんしん保証では「住宅完成保証制度」で北海道内12社登録
株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)では「完成サポート」で札幌市内8社登録
株式会社ハウス・デポ・ジャパン(JKホールディングス、建材メーカー、金融機関等が出資)では「住宅完成保証制度ハートシステム」で北海道内51社の登録になっています。
保険内容、は各法人で違いますので、詳しく確認する必要があります。いろいろ特徴はありますが、ハウス・デポの場合、建て主は工事請負契約は、指定工務店と契約しますが、建設資金はハウス・デポに支払って、ハウス・デポが工事の進捗状況に応じて施工業者に工事代金を支払うしくみとなっています。請負会社が倒産しても増嵩工事や前払い金が返還されないということを避けられるシステムと説明されています。
保証内容を株式会社住宅保証機構を例に見てみると、
●保証タイプが二つ用意されていて、
Aタイプ 増嵩工事費用の保証のみ
Bタイプ 増嵩工事費用+前払い金損害保証。
※前払い工事費用:支払工事費用のうち出来高不足による損害額
※増嵩工事費用:工事を引き継ぐ際に発生する追加費用(足場の組換えなどの手戻り工事費や、建設機械のリース再契約費等)
●保証割合(請負金額に対する保証限度額)
Aタイプ 20%
Bタイプ 21%~40%(20%分は増嵩工事費用の保証割合)
●保証料
Aタイプ 2000万円の場合 保証限度額 400万円 保証料 45,920円
Bタイプ 2000万円の場合 保証限度額 800万円 保証料 51,520円
●登録審査料(建設業者が支払う)
新規 26,250円
継続 24,150円
●制度参加金(建設業者が支払う。毎年かかるお金ではない)
5,000万以下の場合 保証限度額の30分の1に相当する金額
●業者登録(建設業者が登録する)
制度参加金入金後、登録となり、登録有効期限は1年間。
登録事業者は、原則として代替履行業者としても登録され、他の登録事業者が倒産した場合に、これに代わり、工事を引き継ぐ業者となります。
株式会社住宅保証検査機構JIOの完成サポート一般タイプ(新築住宅用)の場合
●保証限度額
700万または請負金額の30%のいすれかの低い額
●保証範囲
前払い工事費用と増嵩工事費用
※前払い工事費用:支払工事費用のうち出来高不足による損害額
※増嵩工事費用:工事を引き継ぐ際に発生する追加費用(足場の組換えなどの手戻り工事費や、建設機械のリース再契約費等)
●利用料
105,000円/等
別途 「工事進捗確認費用(外装下地・完了)11,550円」がかります。
中島建築設計事務所
http://nakajima-sekkei.com