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中島正晴

住む人が笑顔で暮らせる家づくりを提案する建築のプロ

中島正晴(なかじままさはる) / 一級建築士

有限会社 中島建築設計事務所

コラム

新築とリフォーム 設計者が知りたいこと

2013年3月1日 公開 / 2014年7月4日更新

テーマ:新築 リフォーム

コラムカテゴリ:住宅・建物

 家を新築したい、リフォームをしたいと思う時に、「こうしたい」ということを書き出してみて、それを手書きメモでもよいので、設計者に説明をしながら手渡していたでけると設計者としては、助かります。

 設計者としては、そのご主人の書いた要望メモや奥様が書かれた要望メモを手掛かりに設計をすすめていくことになります。

 ではどんな要望メモが設計者としては、いただけるとありがたいのかをお話ししたいと思います。
書くのが面倒な方もおられ、打ち合わせをしながらインタビュー形式で設計者がメモを取っていくというのが実際には多いですが。書くと、自分の「したいこと」が明確になるので、よりよいと思います。

 新築もリフォームも基本的には同じですが、とりあえずリフォームということで、

・何のためにリフォームしたいのか?動機、目的。ですね。
・上記と関連しますが、現在と将来の家族構成をふくめた生活スタイルの変化について
・現在、困っていることで、改善したいこと
・資金計画
・全体予算 だいたいの予算 
 税金や引っ越し、登記費用、新調家具、など請負契約以外の諸費用については参考資料をこちらから渡すようにしていますが。
・インテリア、外観の気に入っているイメージ 
 これは、言葉ではなく、雑誌から切り抜いた写真がもっともわかりやすいです。
 収納のアイディアで気に入っているものなどの写真の切り抜きもとても有効です。
・屋根の形
・駐車場のこと
・使用素材のこと 自然素材など
・家族構成 年齢
・家族それぞれの趣味
・バリアフリー 対応
・各室での要望 設備・収納のことなど個別要望
 キッチン   IHかガスか?食器洗い機、
 ユーティリティー 洗濯機、脱衣籠、衣類入れ、洗面  
 浴室  希望の大きさは? 追い炊き必要か?入浴の時間帯
 子供部屋 現在の使い方、将来の予測
 書斎   冷房 収納
 居間   冷房 収納 家電
 寝室   必要なクロゼットスペース
 和室   床の間、押入れ、仏壇、神棚などの要望
 玄関   下足箱の大きさ、内容、物置スペース、
・照明
・カーテン
・置き家具 新調するもの既存使用のもの
・白物家電製品 新調するもの既存使用のもの
・テレビ   大きさ
・インターネット 有線配線か無線か
・全体的に暖房・給湯の熱源やシステムで関心を持っていること
 ソーラーシステムやヒートポンプシステム、電気パネルヒーター、電気蓄熱ヒーター、温水パネル、床暖房、暖房用エアコンざっと以上のようなことが聞きたいと思っていることです。関心事を聞いた上で、設計事務所からはイニシャルコスト、ランニングコスト比較などの資料を作って、いっしょに考えていくことになります。

 書き出すことで、漠然と思っていたことが整理されるという効果もありますので、是非実行されることをお勧めいたします。

以下は私の所属している建築相談グループで共有している「リフォーム依頼シート」です。

リフォーム依頼シート1

リフォーム依頼シート2





 お施主様(設計事務所や工務店さんから見たお客様のことをこう言います)からこれからも使いたい既存家具の寸法・外観のスケッチなどもいただいたり、お施主様自らが、こんな収納家具がほしいと収納品の量や高さ、厚みを細かく書かれたメモなどもいただくことも多いです。作り付け家具を仕切りの材料の厚みなどは合っていませんが、オーダー家具の設計では、とても役に立ちます。既存家具についての寸法は私の方で通常していますが。

 設計打合せでは、奥様からの要望では子供の教育について、食事をつくるスペースや家事のしやすい生活が便利になること、インテリアのイメージ。ご主人様からの要望では、省エネルギーを考えた熱源、耐震性能、除雪のしやすい形状など。いろいろな角度からのお話しをうかがっていくことになります。中には奥様が最初に家を建てたときは、断熱材や構造の勉強を含めて、講習会にいったんですよと話される方もおられました。
 
また、今までのケースでは、思いつた度にFAXやメールで追加要望をいただくケースもありました。毎日の日誌みたいな。それだけ、つくる思いが強いのだと思います。

 私の事務所では以上のことが書き込めるリフォーム要望シートを用意していますが、フォーマットに書き込むのが面倒な方が多いようで、だいたいは自由に書き込んだメモや雑誌の切り抜きをスクラップにしたものやらをいただくケースが多いです。こちらで知りたい項目だけが参考にされているような気もしますが、それはそれで結構なことだと思っています。

住宅の設計者は要望を手がかりに、お施主様が喜んでもらえることをイメージして、材料を選び、調理していくコックさんと似ているなと思っています。

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