日本1点張りで大丈夫?国際分散投資のメリットとは

吉井徹

吉井徹

テーマ:投資・資産形成

一時期の円安は少し落ち着き、現時点の為替相場は1ドル=135円前後です。
150円を突破した頃に比べれば「円高」になったと言えますが、1年前は115円くらいだったことを考えればまだまだ円安でしょう。

円安状態はシンプルに言えば円の価値が下がっています。
輸入に頼る日本はじわじわと物価上昇するなかで、頑張って貯めた円資産は少しずつ価値が減っています。

そんなわけで今回のテーマは
「日本の成長を信じるか、自分の資産を守るか」

「日本は世界やアジアを牽引するリーダーだ」
「日本は再び成長を取り戻す」
と信じるのか。
それとも徐々に衰退していく日本を見据えて自分の資産を守るのか。

このコラムを読めばリスクをとることでできるリスク分散があることがわかります。

結論を一言で言うと
投資を怖がるあなたは日本の未来に掛ける『日本一点張り』
です。

何もしないことがリスクであることを理解する


昼寝

あなたは物価上昇に負けない収入を得たり資産を持っているでしょうか。
島田紳助さんと松本人志さんのトーク番組でわかりやすい話があったので、少し長いですけど引用します。

紳助「あのな、松本くん、この国はいま650兆の借金抱えてんねん。一人あたり500万くらい、5人家族で2500万円の借金や。無理や。この国は絶対返せへんねや。」

松本「ああ、それ聞いたことあります。」

紳助「やがて返す方法は1個しかない。インフレ。物の価値バーンと上げてお金の価値下がってまう。お金の価値半分なったら借金も半分になるわけや。」

紳助「この日本の国でインフレなって上がるモンゆうたら、土地と株や。だからおすすめ!!」

松本「ははは、うさんくさっ!!」

紳助「アホやな、聞きや。もっと分かりやすく言ってやろう。君は日本人で日本に住んでるわな。ほんでアメリカがあるわな。ほんで怖いこと嫌や、博打したない!って言うやんか。ちゃうねんて。一番博打してるんは君なんや。日本の国全部貯金「円」や。円で全部持ってるということは博打で言うと日本という国に一点張りやねん。分かるかな?この国こけたら君終わりや。」

紳助「今喋ってるのは金儲けの話ちゃうで。分かりやすく言うと半分ドルで持つやん。
日本がこけて「円」ダメになって円安なったら、君「ドル」で儲かるわけや。アメリカだめなったら今度は「円」で儲かるんや。君シーソーの真ん中おったらどっちに転んでも損も得もない。これもっと言うたら「ドル」と「円」だけじゃなくて、株、土地、不動産と棒いっぱい出すとどっちにゆがんでもシーソーの真ん中におるわけや。」

松本「ははは、うさんくさっ!!」

紳助「ほんなら、とりあえず株3000万だけ買うといて。」




この内容が放送されたのはずいぶん前(2000年頃?)のようです。
現在のいわゆる「国の借金」は今年6月末時点で1255兆1932億円とのこと。
なんとほぼ倍増しています。
そしてまだまだ緩やかではありますが日本でもインフレ傾向がみられます。

島田紳助さんの話している内容はかなり正論です。
この話を聞いて何か行動した人はきっと資産を大きく増やすか守ることができています。

投資は怖い。預金なら安心?


お金

「ふーん、自分には関係ないや」
と考えた人は『日本1点張り』の状態ではないですか?
「投資は怖い。預金なら安心」
そうやってリスクを取らない選択をしているかもしれません。

しかし日本円だけを持っているのは、日本円への集中投資しているのと同じです。

上述の島田紳助さんが例に出したように、円だけでなく米ドルを持ったり、現金だけでなく株式や不動産や金などを持つことで、インフレや為替変動による資産が目減りすることを小さくできます。

『分散投資』と表現することが多いのですが「あっちがだめでも、こっちは大丈夫」な状態を作ることでリスク分散しているのです。
資産家はそうやって世の中がどうなっても、自分の生活が脅かされることがないようなアセット・アロケーション(資産配分)を作っています。

投資を怖がってリスクを取らないリスクを負っている状態、ご理解いただけたでしょうか。

絶対に投資をやらなければならないわけではない


分析

岸田政権が「資産所得倍増計画」を掲げて、国民が「貯蓄から投資へ」と向かうよう推進しています。

私自身も投資していて「やっててよかった」と思っています。
が、必ずしも国民全員が絶対にやらなければならないとは考えていません。

投資のことを学ぶ気もなく、理解もできないものを、他人に言われるがままに購入するのは危険だからです。
また、家計が赤字体質で生活防衛資金の確保もできていないのに無理して投資をしても根本的な解決にはならないでしょう。

ですから

  • 投資に興味がある
  • すぐに使う予定のない資金がある
  • 自分で考えて決断することができる

であれば、できるだけ早く一歩踏み出してみることをおすすめします。
短期的には失敗もするかもしれません。
現役世代なら少しくらい損をしても働いて稼げば大丈夫です。
大怪我しなければそれは経験として次に活かせばよいだけです。

一番もったいないのは考えすぎて一歩踏み出せず、時間が経過していくことです。
私自身も超慎重派ですけど、やってみなければ何も始まらないのですから。
投資の種類もたくさんあって、何が正解というわけでもありません。
向いているもの、向いていないものもあるでしょう。

まとめ


風景

投資を怖がって何もしないのは日本1点張りの勝負をしているのと同じことです。
リスクを取らないリスクを背負っています。

お金の置き場所(資産の種類)を複数にわけることで「あっちがだめでも、こっちは大丈夫」な状態をつくることができます。
つまりリスクを背負うことでリスク分散することができます。

現在、金融資産(株や投資信託)も不動産も何も持っていない、つまり資産のすべてが円で何か行動しなければと考えるならば、、、
その一部を外国資産にすることをオススメします。

例えば世界株式に投資する投資信託。
初めての投資であれば、販売手数料無料(ノーロード)、低コストなインデックスファンドから始めましょう。
スマホを普通に操作できるのであれば楽天証券やSBI証券などのネット証券をおすすめします。
まずは手に汗握らない程度の金額から始めて、相場の値動きになれるとよいでしょう。

安定収入があるなら手取り収入の一部(目標は20%程度)を投資信託で積立するのが、一度設定してしまえばあとは自動的に毎月投資されるので簡単です。

この先、日本が復活すると信じているなら円資産の比率を高めにしておけばいいですし、日本の衰退は避けられないと考えるなら海外資産比率を高めにします。
どちらに進んでも自分は大丈夫、と言える状態を作っていきたいですね。

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吉井徹
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吉井徹(ファイナンシャルプランナー)

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会社財務と経営者の個人資産を両輪で考え、企業の発展と理想の人生をかなえるお金の仕組みづくりをサポートする「法人顧問FPサービス」を提供。中小企業オーナー経営者のお金の悩みに寄り添い、解消へと導きます。

吉井徹プロは中国新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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