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年商3億円の建設業が5,000万円の短期運転資金を調達した事例

2018年10月24日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

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『年商3億円の建設業が5,000万円の短期運転資金を調達
 した事例』
…契約書、資金繰り表により返済原資を明確にすることが大切
 です。
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建設業を営むある社長様から、「資金繰りが厳しいが銀行に融
資を申し込んでも相手にしてもらえない。」とのご相談があり
ました。銀行に対してどのようにアプローチしているのかをお
聞きしたところ、「1億円の資金が必要なことを伝え、決算書
と試算表を提出した。」とおっしゃいます。1億円を5年返済
で借りた場合、年間2,000万円の返済が必要になります。
同社の決算書では500万円程度のキャッシュフローしかあり
ませんので、決算書や試算表だけでは、逆に「返せない」こと
を銀行に伝えたことになります。

まず1億円が必要な理由をお聞きしたところ、1.5億円の大
型案件を受注したことにより、先出しになる原価部分がおおよ
そ1億円あるという回答でした。しかし、一方で回収条件もお
聞きしたところ、工期は約1年で、着手時30%、中間で30
%、完工時に40%とのことです。おおよその外注費の支払時
期と入金時期を擦り合わせたところ、5,000万円の資金が
あれば十分にキャッシュが回ることが分かりました。

◆社長のお話をお聞きしたうえで次の資料を弊所にて作成しま
 した。

・当該案件の原価の金額や割合を明確にした売上原価表
・5,000万円の資金を借入し、中間時に2,500万円、
 完工時に2,500万円を返済する資金繰計画表

◆社長と一緒に銀行に訪問し資料を提出しました。
売上原価表と資金繰計画表をお見せして、5,000万円が必
要な理由を説明し、回収条件が明記されている契約書をお見せ
して返済の確実性を示しました。

最終結果は、当方の申し出どおり、融資金額5,000万円、
6ヶ月後に2,500万円、1年後に2,500万円という返
済条件で承認を得ることができました。

本件のように、売上や利益と比較して大きな資金を借入する場
合は、資金の使い道や金額の根拠、返済の方法や根拠を、必ず
書面に落とし込んで説明することが重要です。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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