ベンチャーキャピタルからの投資を受けるための条件
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『製造業経営の2大悪!分散と安売り!』
…年商約9億円、営業赤字5千万円まで業績が悪化した
製造業の再生事例!
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■この会社は(推測含む)1970年ごろ、売上高は数億円、営業
利益も数千万円以上を安定的に計上できる、小ぶりながら優良
企業でした。最新の成型機やオーブンを使って生産される主力
単品の名物商品は、相応のブランド力を有しており、優良な卸
業者や優良小売店に限定して販売されていました。原材料は厳
選された高級材料に限定していました。従業員の処遇も相応で、
熱心に業務に励んでいた事でしょう。
◆二代目社長は、大衆化による拡大路線を選択しました。
1.生産するアイテム数をどんどん増やしました。
2.販路拡大を行いました。
3.廉価な商品を開発しました。
◆分散と安売り路線を突き進みました。
大衆化された新しい商品と販路の拡大により、売上高は膨らん
でいきました。右肩上がりの売上増を経験した二代目社長は、
さらなる大衆化と拡大路線にアクセルを踏み込みました。
ある時を境に売上の伸びは止まり、時を同じくして営業利益も
目減りする趨勢に転落しました。それでも、売上を伸ばそうと、
営業利益を捻出しようと、さらなる大衆化による拡大路線を貫
きました。
◆2005年ごろ、売上高は約9億円、営業赤字5千万円(過去3期
連続赤字)、債務超過5千万円、破たんの危機に見舞われました。
○工場の躯体も内装も、肝心の生産設備まですべてがポンコツ、
長期間投資する余力が無かったのでしょう。
○販売先は安物を扱う卸と小売店、廉価品中心の品ぞろえが招
く当然の結果です。
○商品はその多くが陳腐化していました。新商品を開発する力
は残っていません。
○創業時の主力商品のみが、何とか原型をとどめている状況で
す。
◆2005年時点でのこの会社の企業価値は明らかにマイナスです。
◎企業価値試算=純資産(▲5千万円)+将来利益(▲5千万円
×3年=▲1億5千万円)=▲2億円です。
ある金融機関の仲介でベンチャー企業が買収しました。オーナ
ーの個人資産の充当と、会社が有していた特殊な権利(※この
会社が持ち合わせた最後の幸運です。)で、▲2億円を充当して、
企業価値0円と試算できたからです。
■新しい経営者は、絞り込み(Simple)と高付加価値(Profitable)
な経営〔SP経営〕に舵を切りました。
1.徹底的な絞り込みを行いました。
生産アイテムの半減、販売先チャネルの半減、低生産性商品と
採算割れ販売先との決別を徹底して行いました。
・売上高比率15%超のある商品群を全廃しました。
・全国に広く薄く散らばって販売していた商品群を全廃しまし
た。
等々
2.高付加価値商品の開発と高付加価値販売チャネルの開発に
力点を置きました。
・高品質な原材料の仕入れルートを開発しました。
・優良商品を生産できる設備を投入しました。
・方針の合わない工場長と決別して、やる気のある若手を抜擢
しました。
・開発費への投資を惜しみませんでした。
・業績の改善を待たず、処遇の改善を可能な限り行いました。
等々
※これらの先行投資を行う財力と与信力を有していたことが背
景にあります。
◆業績の回復…
経営が変わって丸3年、業績は見違えるように好転しました。
売上高約8億円、営業利益5千万円、一過性ではなく安定的な利
益を捻出できる会社に変貌しました。
商品の過半は刷新され、アイテム数は▲30%、販売先数もその
数十%は新しい先になりました。原材料も仕入れ先の変更によ
り高級品を入手できるようになっていました。
■絞り込み(Simple)と高付加価値(Profitable)な経営〔SP
経営〕の成果は…
絞り込みから余力が生まれます。高付加価値化は生きる世界
(仕入れ先・売り先等すべて)をより上の世界に転換してくれ
ます。歴史を振り返る…この会社の古に戻しただけです。
分散と安売りは、企業経営の2大悪です。
(一部推測も入りますが、概ね実例です。)