重要な経営法則(その5)
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『金融機関対応・資金調達Q&A(その4)』
Q7:日本政策金融公庫の創業融資、自己資金の要件は?
「支払い済み領収書では証明にならない。(公庫担当者)」
Q8:信用保証協会の保証付き融資、新たな借入れを依頼したら、
「前回の借入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証
はもらえない。(銀行担当者)」
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税務に付加して、金融機関対応と財務に対する強みを有するこ
とを宣言する当事務所には、様々な相談が寄せられます。
前回に続いて、一部をご紹介させていただきます。
■Q7:
『創業融資依頼時点ですでに支払いを済ませた店舗保証金分の
領収書を提示したが、これでは自己資金の証明にならないと、
公庫担当者に言われた。』(相談者様)
◆A7:
日本政策金融公庫の創業融資の要件の中に、自己資金を有する
こと「…創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己
資金を確認できる方。」とする項目があります。
○ポイントは自己資金の出所の証明です。
・この資金は、確実に当該事業の資金として利用されること
・短期的な返済等を必要とする資金でないこと
・創業者が自分自身で蓄積した資金が好ましい
とされています。
※長期間に渡る計画的な貯蓄等は、創業者の堅実性の証明にも
なります。
○短期的に資金を借入れなどで調達し、それを自己資金と称し、
日本政策金融公庫から融資を受けた資金で返済する、このよう
なことにならないために確認されます。
・領収書は支払いの証明書であり、その資金の出所の証明には
なりません。
・求められているのは、出所の証明です。支払いの証明ではあ
りません。
◎当事務所にて、当該資金の出所のエビデンス、本案件の自己
資金は、親御さんからの支援が大半を占めており、その親御さ
んの銀行口座の残高の確認、その残高蓄積の経緯、その資金が
相談者様に移行したエビデンスを準備して公庫の融資依頼資料
として提示し、その詳細を説明することで、理解を得ました。
金融機関との折衝は、当事務所が行いました。必要な金額の創
業融資を調達できました。
※親御さんからの援助資金を自己資金とするとき、その資金の
エビデンスに当たる親御さんの預金通帳等の開示も求められま
す。
■Q8:
『信用保証協会の保証付き融資、新たな借入れを依頼したら、
「前回の借入れが資金使途違反に当たるので、新たな保証は出
来ないと保証協会に指摘された。前回融資分の完済も依頼され
た。(銀行担当者)」』(相談者)
◆A8:
該当する融資の詳細を確認したところ、
・当該融資は設備投資資金
・借入金額と投資資金の金額は同額、問題なし
・借入れ日の前に当該資金を支払い済み、これが資金使途違反
に当たります。
※大変厳しいように感じますが、信用保証協会の保証付き設備
投資資金は、当該資金の入金後に、当該設備投資費用を支払う
必要があります。この順番が逆転した領収書で指摘を受けてい
ます。
○信用保証協会の保証付き設備投資資金は、その保証金額と投
資金額の整合性だけでなく、その支払い時期についても、厳格
なルールがあります。
○(参考)日本政策金融公庫の設備投資資金は、
・その金額が1,000万円以下の時は、決算書提出時に結果
をトレースされます。
・その金額が1,000万円超の時は、投資実行後にその結果
をトレースされます。
・支払日については、その期間の幅を認めてくれます。
※設備投資資金として調達した資金を、他の用途に利用するこ
とは出来ません。少なくとも、次回以降の融資が受けられませ
ん。本来は完済を求められます。
◎当事務所にて、支払い時期ずれについてその悪意がない旨を、
銀行を通じて信用保証協会にお伝えすると同時に、当該銀行の
協力を得られたので一旦完済した後に、再度必要資金の調達を
行うことができました。信用保証協会の寛容な判断、銀行の協
力、何よりも会社様の業績が極めて良好であったことが、解決
できた理由です。
その後、資金繰りシミュレーションの継続と、タイムリーな資
金調達を行う当事務所のサービス「資金繰り円滑化サービス」
を導入いただいています。社長様の営業戦略を資金繰り・財務
面で継続的にサポートしながら、この様な金融事故を未然に防
ぐこともできています。