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コラム

『創業事業計画によくある10の間違え!』

2016年7月13日

テーマ:経営

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 事業計画 立て方

その事業が将来立ち上がるかどうか?こんなことはだれにもわ
かりません。それでも論理と蓋然性から、高い確率で重要な問
題点を指摘して助言することは出来ます。
(※この確率にあてはまらない天才事業家は除外する前提で読
んでください。)

■「創業事業計画によくある10の間違え!」(実例です。)
以下のような創業計画書は少なくありません。

◆1:創業1期目が赤字、2期目に追加の資金調達(融資)を
   目論む計画

創業1期目が赤字の時、2期目の資金調達は容易ではありませ
ん。創業時の自己資金と創業融資で、黒字化まで自力で持って
いかないと、次の融資はほぼ受けられません。計画の見直しが
必要です。(財務無策です。)

◆2:創業自己資金300万円で初年度の資金調達金額3,000
   万円とする計画

計画自体が無謀に見えます。創業時に、こんな多額な融資はほ
ぼ受けられません。計画の見直しが必要です。(財務無策です。)

◆3:創業自己資金50万円の会社が、創業1期と2期で累計
   6,000万円の赤字を出す計画

どんなに経歴や計画書が立派であっても、この計画を支持する
金融機関はありません。そもそも力不相応な計画に見えます。
計画の見直しが必要です。(財務無策です。)

◆4:創業三ヵ年計画の資金繰りの辻褄が合っていない計画

資金繰り計画書を作ったら資金ショートします。資金繰り計画
を持ち合わせていないので、矛盾に気づいていません。計画の
見直しが必要です。(財務無策です。)

◆5:創業三ヵ年計画に、創業融資の返済原資を見出せない計
   画

返済を賄う利益を計画段階から計上できていません。返済原資
の無い融資を金融機関は行いません。計画の見直しが必要です。
(財務無策です。)

◆6:創業自己資金300万円、資金的にはぎりぎりの計画で
   すが、創業融資をとりあえず受けない計画

「とりあえず自己資金でやってみて、必要になれば融資を受け
たい。」この考え方は根本から間違えています。行き詰まった
時に融資を受けられる可能性は高くありません。最初に創業融
資を受けるべきです。(財務無策です。)

◆7:創業自己資金50万円の会社が急成長して、3期目の期
   末に従業員が250名になる計画

力不相応な計画に見えます。250名を雇用する…これを実現
するコストだけで、期間中に数千万円程度必要です。

◆8:売上・利益計画の割に、経費が少なすぎる計画

販促費や経費を過少に見積もっているケースも少なくありませ
ん。甘すぎる計画に見えます。上手く行きすぎる計画に蓋然性
は見出せません。

◆9:既存のサービスの単なる安売りで売上が取れるとする計
   画

安くして、差別化して、かつ、利益を出して…実現できる蓋然
性がありません。

◆10:既存のサービスを多数組み合わせ総合化することで差
    別化しようとする計画

ワンストップにして差別化する…実現できる蓋然性がありませ
ん。

■上記の事象は、計画書を少し見ればわかります。

◆1~6は、財務的な整合性を欠いています。明らかな財務無
策で、計画の見直しが必要です。

◆7は、雇用にかかる手間暇・コスト、さらには、マネージメ
ント体制を作りあげる大変さをよく理解できていないことが原
因でしょう。計画の見直しが必要です。

◆8の経費の過少計上もよく見かけます。最初からミスなく上
手にコストを掛けられることが前提です。試行錯誤の費用が見
込まれていません。計画の見直しが必要です。

◆9の安売りモデル、10の総合化モデルもよく見かけます。
安くしても利益を出せる、総合的に組み合わせても、一つ一つ
が弱くならない理由が不明瞭です。既存の企業は、安くすると
利益が出ないから、組み合わせると一つ一つが弱くなるから、
これができないのであって、このできない理由を解決せずに、
安く・総合的に…とする発想は根本から間違えています。ビジ
ネスモデルの練り直しが必要です。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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