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コラム

『介護支援取組助成金の支給要件変更について』

2016年7月6日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

平成28年4月に新設された「介護支援取組助成金」の支給要
件の見直しがありました。
見直し後の要件として、これまでの介護休業制度を従業員に周
知するためのアンケート調査や社内の勉強会の実施に加えて、
◇介護休業に関する法律を上回る社内制度の導入
◇年休取得の促進と残業時間の削減
が追加されました。

その他の要件にも細かな条件が追加されています。
概要をみておきましょう。

■支給額
 1企業1回のみ:60万円(変更なし)

■主な支給要件
以下の手順に沿った取組が実施されていることが要件です。

(1)従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握
原則として、雇用する雇用保険被保険者全員を対象に、厚生労
働省が指定するアンケート用紙によるアンケートを実施し、結
果を所定の報告書にとりまとめる。
※アンケートの回収率が3割以上または回収数が100以上で
あることが条件です。

(2)介護休業関係の社内制度の見直し
厚生労働省の指定するチェックリストにもとづいて社内制度の
確認・見直しを行い、さらに次のような法律を上回る制度を導
入する。
〇介護休業の取得回数について、法律を上回る回数とする。
〇介護休業期間の全部または一部を有給扱いとする、など。

(3)介護に直面する前の従業員への支援
厚生労働省が指定する資料にもとづいて社内研修を実施してそ
の結果を記録し、従業員に所定のリーフレットを配布する。
社内研修は、1時間以上の研修で質疑応答の時間を設け、雇用
保険被保険者の8割以上が受講することが条件です。

(4)介護に直面した従業員への支援
仕事と介護の両立に関する相談窓口を設置して、その旨を従業
員に周知する。
相談窓口の担当者の氏名、電話番号、メールアドレスなどが特
定できるようにしておく必要があります。

(5)働き方改革
上記(1)から(4)の取組を実施した後の1か月以内の任意
の日から3か月の間に、原則として次の2つの水準を満たすこ
とが必要です。
◇3か月間における従業員1人あたりの平均年休取得日数が前
 年同期間を2日以上上回っていること。
◇3か月間における従業員1人あたりの平均残業時間が前年同
 期間の平均残業時間を15時間以上下回っていること。
※比較対象となる前年同期間の実績を把握していない、または
 対象となる従業員がいない場合は支給対象となりません。

■その他の要件
(1)介護休業の制度および所定労働時間の短縮等の措置につ
   いて、就業規則または労働協約に規定していること。
(2)仕事と家庭の両立支援についての取組を紹介する「両立
   支援のひろば」というサイトに介護休業関係の両立支援
   の取組を登録すること。
※「両立支援のひろば」https://www.ryouritsu.jp/

支給要件が厳しくはなりましたが、介護離職を予防するために、
助成金を活用して仕事と介護の両立に関する雇用環境の整備を
検討されてはいかがでしょう。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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