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コラム

『リスケジュールの決断』

2016年2月24日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

資金繰りが苦しいというご相談が増えています。同様の状況に
ある経営者様は、是非ご一読ください。

業績の悪化により資金繰りが苦しくなり、かつ新規の融資も受
けられない場合は、金融機関にリスケジュールを申し出ます。
仮に、毎月50万円の返済を1年間0円にしてもらった場合、
1年間で600万円のキャッシュアウトを防ぐことができます。
600万円を新たに借り入れたのと同じ効果がありますので、
その資金を前向きな投資に振り向けて業績を改善します。リス
ケジュールの最高のシナリオです。

しかし、最高のシナリオを描けるのは、本業の収支が黒字の場
合のみです。そもそも本業の収支がマイナスに陥っている場合
は、返済を止めたところで手元資金は増加しません。本業の収
支マイナスを補うための資金繰り作業は依然として続きます。

リスケジュール実行中の資金繰り作業は大変困難です。新たな
融資を受けられませんので資金繰りの施策は限定的になります。

■ 仕入等の支払いをジャンプする。
支払うお金がない場合は仕入先に支払いを待ってもらうしかあ
りません。しかし、信用に関わりますので何度もお願いするこ
とはできず、また、そもそも本業が赤字ですので一時的に待っ
てもらっても資金繰りが改善する見込みはありません。

■ 固定費を抜本的に見直す。
資金流出を食い止めるためには、とにかく本業の収支を合わせ
なくてはなりません。売上は自分の意志では上げられませんの
で、自分の意志で削減できる固定費を抜本的に見直します。縮
小均衡策ですので、負のスパイラルに陥る可能性もありますが、
目先の倒産を避けるためにはやむを得ません。

しかし、リスケジュールの実行時に手元資金の余裕があれば、
そこまでの大手術をせずに済みます。手元資金を多く残してリ
スケジュールをスタートするためには、当然ながらリスケジュ
ールを早い段階で決断することです。本業の収支が赤字の場合、
手元資金が枯渇しそうになって初めてリスケジュールを決断し
ても、既に身動きが取れない状況です。

資金繰りが苦しいとのご相談に来られる経営者様の命運を分け
ているのは、経営が悪化し始めた時の決断力、実行力のようで
す。殆どの経営者様が最終的には正しい判断を下されますが、
その決断がほんの少し遅れてしまった経営者様は、素早く決断
した経営者様とは全く違った結果を迎えています。

早期に対応すれば防ぐことができます。資金繰りに不安を感じ
ている経営者様は、是非、早い段階でご相談ください。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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