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『融資申し込み資料について』  …その資料を要求する銀行側の意図を理解して作成しましょう。

2015年10月21日

テーマ:銀行融資・補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

「ご融資の申し込みですね。それでは決算書3期分と直近試算
表、作成していれば資金繰り表と借入残高一覧表、それから受
注明細と税金の納付書・・・」

融資申し込み資料の準備は手間がかかります。提出書類は少な
い方が良いでしょう。しかし、銀行は漫然と資料を求めている
訳ではありません。目的を持って資料を要求しています。資金
調達を成功に導くためには、「なぜ銀行がその資料を要求して
いるのか」を理解することが大切です。

■ 税務申告書
税務署に提出した消費税、法人税、住民税及び事業税の申告書
類の一式です。納税額の確認はもちろんのこと、決算書の利益
額が税務署に報告した利益額と違っていないか等、粉飾決算の
糸口や、償却不足、納税の延滞等、基本的な要件を確認してい
ます。

■ 決算報告書
決算日の財務状況や1年間の経営成績を明らかにした資料です。
融資審査をするうえで最も重視されます。利益の状況、返済原
資の有無、実態債務超過の有無、借入過多の有無などを確認し
ています。

■ 試算表
決算日以降の経営状況を明らかにした資料です。決算書とは違
って正式な書類ではありませんので、あくまでも参考資料です。
決算日以降、売上や利益が大幅に減少していないか等、重大な
後発事象の発生を確認します。

■ 資金繰り表
一定期間のお金の流れを明らかにした資料です。過去の実績を
表した資金繰り実績表と未来の予測を表した資金繰り計画表が
あります。決算書や試算表だけでは分からないお金の流れを知
ることで、返済の見込みをより正確に判断出来る他、必要な運
転資金額の根拠や返済原資を確認することが出来ます。

■ 事業計画書
店舗の出店、工場の建設など、設備投資を行う際の投資効果を
検証する計画書です。設備資金を調達する際は必須の資料です。
融資の返済が出来るだけの利益を上げられる計画になっている
か、また、その実現の可能性について検証しています。

ただ単に資料を作成して提出するより、銀行が評価するポイン
トをしっかり押さえた資料を作成する方が、資金調達の可能性
は高まります。銀行から求められた資料について、その意図を
確認されたい方は、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いたプロ

石田雄二

会社設立と銀行融資のプロ

石田雄二(石田雄二税理士事務所)

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