『脱・昭和!令和の経営・生き方を実現しましょう! 』(その1) …今年は、昭和98年ではなく、令和5年です。
過去の失敗を経て、再起を図ろうとする社長様からの相談を時
折受けます。
また、再起の末、成功を収められた社長様も少なくありません。
逆に、失敗を繰り返す社長様もおられます。
■成功するか?失敗を繰り返すか?の差は、過去を総括できて
いるかどうかで決まります。
○「前回失敗した理由が自分以外にある」とおっしゃる社長様
は、失敗を繰り返します。
運が悪かった、だまされた、景気が…このような言い訳を繰り
返す人は、ほぼ間違えなくこれからも失敗します。
・運が悪かったは、「判断を間違えた」であり、「判断を間違
えるのは自分自身の判断基準が悪かった」からです。結局、自
信の能力不足です。
・だまされた、景気が…これも同じです。
運が悪かった、だまされた、景気が…すべての事象を自身の問
題として認識できない間は、何度でも同じ過ちを繰り返します。
○再起した会社が経営危機に陥る理由は、前回失敗した理由と
同じです。
売上至上主義、無管理経営で、ただやみくもに売上の拡大に奔
走する社長が経営危機対策の相談に来所されました。直近期大
幅な増収でありながら、営業赤字に転落しています。増収であ
りながら、利益率の大幅な低下、固定費の増大になっています。
そして、「売上をいくら伸ばしたら黒字になりますか?」と
おっしゃいます。
前回の失敗の理由をお聴きすると、「リーマンショックによる
景気の後退と、銀行の貸し渋り」と総括されます。
○この社長は、「安売り症候群」と呼ばれる病に侵されていま
す。利益率より売上高、経営管理より、我武者羅に売り歩く…
このような病です。前回の失敗も同じでした。今回も、同じ病
が原因で経営危機に直面しています。
■失敗の原因を確実に総括しておかないと、過ちを繰り返します。
原因を退治してください。
○(当事務所)「今回の経営危機の原因は、売上至上主義と無管
理経営に端を発した収益の悪化です。この結果を招いたのは、
100%社長様、あなたの責任です。社長様は、『安売り症候群』
という社長の病を患っています。前回の失敗の原因も、(事情
をお聴きすると)今回の原因と同じです。リーマンショックや
銀行の貸し渋り等ではありません。この病を治療して直さない
と、再度破たんします。」と助言しました。
◎(相談者様)「よくわかりました。どうすればよいですか?」
○(当事務所)「まず、売上高・粗利益率・固定費の三つをバラ
ンスよく構成する月次の経営計画を作ります。売上至上主義を
脱して、バランスの良い経営を目指します。その上で、進捗を
月次で管理します。当事務所(病院)がお手伝いいたします。
『安売り症候群』、利益率より売上高、経営管理より、我武者
羅に売り歩く…この病の完治を目指しましょう。」
■失敗を経験することは、本来無駄ではありません。学んだ分
強くなることができるからです。
○賢明な社長様は、前回の失敗の原因をしっかりと自覚して、
総括をしっかり済まされておられます。同じ轍を二度は踏まな
い、この決意で臨まれます。
○一方、前回の失敗の責任を、自分以外の外部要因に転嫁され
ておられる社長様は、失敗の総括ができていないために、同じ
過ちを繰り返しがちです。
他人の責任で自分が失敗することなど100%あり得ません。
失敗したら、必ず総括して、次に生かしてください。(小さな
失敗でも)これを繰り返すことで、社長力が磨かれていくはず
です。