下請け体質から脱却できない中小企業の特徴:下請け体質とは社員一人一人に根付いた体質のこと、その体質を変えるには?
ものづくり中小企業にとって、今一番関心があるのは、いかにして顧客を獲得
するか、そして、いかにして売上や利益を維持し、また伸ばしていくか?では
ないでしょうか?
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(社長のツテのみの営業活動から脱却するには?)
日本の製造業は長らく系列取引という商慣習により、マーケティング活動を
意識せずとも、製品は売れ、取引拡大が続いてきた歴史があります。
売れない、利益の出ないこの時代に必要なのは、「顧客から選ばれる企業」に
なることです。しかし、実際はライバルとの競争に終始し、製品・サービスは
同質化し、泥沼の値引き合戦という不毛な価格競争で企業体力の低下を招いて
います。
一方で、IT、ネット上のさまざまなコミュニケーションツールの発達によって
比較的短時間に低コストでマーケティング活動に取り組むことができるように
なりました。これらを利用しない手はありません。
ここでは、B to Bマーケティングとしての新規顧客獲得活動、特にホーム
ページによるマーケティングに焦点を当ててその方法について考えてみましょう。
1.新規顧客の獲得プロセス
最初に、中小製造業がマーケティング活動によって、新規顧客を獲得する場合
の一般的なプロセスを確認します。
1.1 見込顧客を集客する
その方法の主なものは従来からの営業マンによる顧客訪問、そして展示会であり、
広告であり、ホームページです。
従来の営業マンが行ってきた方法ではカバーできない部分を展示会や広告・
ホームぺージを活用して効率よく実現します。中でも24時間365日、自社の
マーケティング活動を行ってくれるホームページは最も期待できるツールと
考えられます。
1.2 見込顧客データを営業資産として維持・管理する
獲得した見込顧客には、水を与えて育てる過程が必要です。すぐに大きく育って
比較的短期間で収穫できる種もあります。しかし、大多数の種は収穫するまで
に時間が掛ります。なかなか芽を出さない種でも、近い将来貴社の売上を支え
る大きな木へと育つかもしれないのです。
1.3 見込顧客とのコミュニケーション
獲得した種に対しては、種が大きく育つために必要な「情報」という水を適切
な方法で与え続けて大事に育てていきます。
顧客が貴社に期待すること、想定される課題に関する解決策や参考
情報を与え続けます。見込顧客の課題・悩みに共感していることを訴え続け
コミュニケーションをとる努力を重ねます。
この期間に、見込顧客の中に貴社に対する好意やブランドが形成されれば、
貴社は顧客と会う以前に競合企業との競争において優位な立場を獲得する
ことができます。
1.4 見込顧客の中から有望見込顧客を見つけ出す
B to B マーケティングにおいて最も重要で、最も難しいのが「ニーズが顕在化」
した、見込顧客をタイミングよく見つけ出すことです。「関心」があっても
「ニーズ」がなければ、どんな方法を使ってもその担当者に営業活動をすること
が難しいのが今の時代なのです。
「ニーズが顕在化する」とは、見込顧客企業において解決すべき課題が発生した
時、ニーズが生まれます。
しかし、見込顧客として維持・管理し、適切な情報を提供し続けていなければ
何かのサインを送ってくれることはないでしょう。蒔いた種が収穫間じかに
なったことを見込顧客が教えてくれるのです。
1.5 リアルな営業活動によって営業案件化する
B to Bマーケティングでは一部の例外を除きインターネット上で契約が成立
することはありません。必ずフェイスtoフェイスで商談というプロセスを経て
契約が成立します。
つまり ホームページの役割は見込顧客を集客し、営業資産として維持し、情報
という水を与え続けて育成(啓蒙)し、ニーズが顕在化した見込顧客からの
サインを受け取るまでです。
1.6 受注した顧客企業との取引を拡大する
ここからはもうご説明するまでもなく、顧客企業の課題を解決していく過程
で担当者間、企業間の信頼関係が築かれていきます。信頼関係が出来上がれば
徐々にこの顧客の「売上」が増えていくでしょう。
2.ホームページはアクセスされなければ意味がない
ホームページを100万円かけて製作したにもかかわらず、1年間で問合せが1件
しかないというような話を聞くことが良くあります。ホームページは製作する
ことが目的ではなく、製作した後の運用方法を工夫しなければ、顧客獲得には
つながりません。
2.1 アクセス数の目標は1000件
取引拡大につなげるためには、月に1000件以上の訪問客が自社がターゲット
とする客層の担当者に見てもらうようにホームページをつくらないと意味が
ないと言われています。 月に1000件というアクセス数は、一般的に製造業
におけるアクセス数の目安と考えられます。
2.2 検索されやすくする工夫
まず、ホームページのページ数が多くなければならないこと、そして1ページ
あたりの文字数が多くならなければならないことです。 ⇒ 目安は50ページ
以上、1ページ500文字以上です。ページ数、文字数を多くすることによって、
その中に含まれる「キーワード」も多くなるので、検索にヒットする確立も
上がってきます。
検索されるキーワードは自社の商品やサービス名で検索されることが条件です。
つまり、会社名で検索されても新規の引合は獲得できず、「板金加工」や
「精密板金」そして「地名」などのキーワードで検索されることが重要です。
設備情報や製作実績や会社情報は、あまり価値がありません。
3.顧客獲得につなげるには
3.1 専門知識で信頼感を
顧客獲得につなげるには、提供する製品やサービスの専門的な知識を知って
いる人間がホームページを作ることが必要です。なぜなら専門的な分野の
ホームページをつくる事によって、顧客ががここに頼めば大丈夫と思わせる
ような信頼感を与えることが必要だからです。
3.2 売り手視点ではなく顧客視点で
ここで気を付けなければならないのは、
・当社には、こんな素晴らしい設備があります。
・短納期対応ができます。
・こんな精密加工ができます。
などは、あくまでも売り手側の視点で見た特徴や利点であって買い手にとって
はさほど魅力的には感じないのです。売り手視点ではなく、買い手の視点が
重要になるのです。
・このような商品・サービスによってお客様の商品のコストダウンを実現します。
・この技術によって、お客様の商品の市場競争力を向上させます。
などの要素が重要となるのです。
3.3 見込み顧客が求めるもの
見込み顧客において解決すべき課題が発生した時、ニーズが生まれます。
「関心」あっても「ニーズ」が発生しなければ、どんな方法を使ってもその
顧客を獲得することが難しいのが今の時代なのです。
見込顧客は、解決すべき課題に対する答えや参考となる情報を探しています。
その情報に満足した見込顧客は最終的に「具体的な解決方法」として貴社の
製品や技術・サービスに関する情報を得たいと考えます。
その時に、見込顧客が求めるもの(想定ニーズ)は以下の3点です。
・顧客が抱えている課題を解決できるのか?
・製品・サービスがニーズに合致しているか
・ビジネスパートナーとして信頼できるか
見込顧客を集客するためには、製品情報は主役ではありません。また「売込」
であってはなりません。通常の製品パンフレットのようにスペックや機能を
売り手の立場で訴求するのではなく、顧客の視点でこの製品を使うと何ができる
のかを訴求することが必要です。
最後に、担当者以外の専門知識の無い購買関係者もホームページ情報を判断材料
とする可能性を踏まえ、誰が見ても分かりやすい文章で説明することを忘れては
いけません。
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