ダイハツの不正はなぜ起こったのか?悲痛な訴えがが届かない組織風土!
「下請け」とは一般的には、上位の企業から仕事の一部を引き受けている業者
のことです。
つまり、発注元の指示を忠実に実行するという力関係にあるため、いつまで
たっても自社の独自性を発揮する機会がなく、ただ発注企業の顔色を伺い、
いわれたことだけを忠実に行うことが習慣化しています。
また下請け企業は、常に値引き圧力にさらされ、利益が薄く、発注企業のさじ
加減でいつ切られるかわかりません。
1.下請け体質とは社員一人一人に根付いた体質のこと
以上のことから下請け体質から脱却できない企業の特徴として
(1)受け身体質の社風が根付いている
(2)製品・サービスの付加価値が低く利益率が低い
(3)市場ニーズを把握する営業活動ができない
(4)技術はあっても企画提案型/問題解決型提案ができない
「下請け体質」とは、企業の問題ではなく、働く社員一人一人の問題でもある
のです。仕事とは、上からの指示待ち、指示された事を消化する、判断を他人に
求めることではありません。
たとえば、営業担当者は、「限られた得意先だけとの取引」「親しい担当者と
ばかりの面談」「顧客の言うままの特殊な仕様をそのまま受注」という現状維持
受け身の考え方、行動パターンに陥っています。
「ものづくり白書」では、中小企業の取り巻く環境変化に対する取り組みの現状
を次のように指摘しています。
付加価値が「もの」そのものから、「サービス」「ソリューション」へと移るなか
単に「ものをつくる」だけでは生き残れない時代に入った。海外企業がビジネス
モデルの変革にしのぎを削るなか、我が国企業の取組は十分とは言えない。
(1)人材の量的不足に加え、質的な抜本変化に対応できていない
(2)従来「強み」と考えてきたものが、成長や変革の足かせになる
(3)大きな変革期の本質的なインパクトを経営者が認識できていない
(4)非連続的な変革が必要であることを経営者が認識できていない
つまり「下請け体質」とは、経営者をはじめ社員全員が「これまでのやり方」に
しがみ付き、習慣化した思考停止状態になっていることを意味します。
2.自社製品を開発すれば売れるか?
市場変化で仕事量が減ったりすると今までの営業の力ではまったく手を打つこと
ができず、注文が減り経営がジリ貧になってしまいます。このような経営環境
では社長は何とかしなければと思うの方が自然です。そこで、「自社製品で市場
開拓しなければならない」と考えます。
掛け声はかっこよくても、現実にどうやるかが重要な問題なのです。
先ず、社長は下請けのビジネスモデルと直受/自社製品のビジネスモデルは全く
違うということを理解しなければなりません。営業面だけ見ても、市場開拓を
自分でやらなければなりません。
これはどういうプロセスかと言うと「自社の技術や製品の特長を見極め、売れる
強みが求められる市場(顧客)を見つけ、売り方を考え、売れる仕組みを作り、
営業体制を整え・・・」とマーケティングから営業、設計から製造まで一気通貫
でビジネスをデザインして、事業計画を作り投資しなければなりません。
それには、社長をはじめ社員全員の今までの「受け身」の思考・行動パターンを
180度変える必要があるのです。
下請け企業が、いきなり新商品開発までもっていくには相当の困難が伴うことは
明らかです。
3.まず営業を強化するという考え方?
売上が思ったほど伸びない会社は営業活動を社長人脈に頼っている会社に多く
見られます。社長に営業を依存する会社では社長が限界に達したら思うように
売上は伸びません。
結局「営業が駄目だから売れない・・・」と考えるようになります。
そして、営業スタッフや営業幹部を中途採用しますが、なかなか上手くいきま
せん。訪問営業などで会社の実績や、設備、技術などをアピールしますが、
それだけでは新規の受注には結び付きません。
営業を強化すれば受注が取れると考える社長は結構多いですが、それにはかなり
「しっかりした会社」であることが前提となります。
「しっかりした会社になるためには?」へ続く