製造技術者向け手順書、解説書の紹介(1):信頼性設計手法とトヨタ式DRBFMの考え方と実践手法
中小製造業では、特に人材や時間に限りがあります。
そんな中で、効果的な工場管理を行うにはどうすればいいでしょうか。
日本のものづくりは、人に受け継がれてきた熟練技能と、全員一丸となって
困難に立ち向う、力の結集力よるものづくりは、世界的に高い評価を受けて
きました。
しかし、これだけでは、これからの時代に中小が生き残っていくことは困難
になって来ました。市場の厳しい品質要求に応えていくこと、また多様な
ニーズをとらえて機敏に対応していくことが求められますが、売り上げの
伸び悩み、人材難、熟練技能者のリタイヤなど経営資源の不足する中小企業
では今までのやり方では対応が困難となっています。
中小企業にとって今求められるのは、このような時代の要求に応えられる
若手人材を育成することです。必要なのは、自ら課題を設定して、それを
解決していける「自立型人材」です。また、デジタル革命が進む中、IOT
・AIなどの知見を持つ技術人材の育成も急務です。
DX化の時代が到来し、ルーチン業務は機械への置き換えが加速するといわれ
ています。機械により生産性向上を図って、その分人は、付加価値業務へ
シフトし、新たな製品や新市場の開拓を行い、利益を確保していかなければ
なりません。デジタル化社会の今こそ、日本人のきめ細かいアナログ対応
力が求められているのです。
経営層は、これらの時代の変化を捉えて、従来からの下請け体質を打破し、
果敢に事業変革にチャレンジしていかなければ明るい未来は開けません。
優れた人材、差別化固有技術など、中小企業の持つソフトな経営資源を生かし
アナログ対応力に磨きを掛け、これらを武器に差別化を図り、新たな事業の
可能性を追求していくことこそ日本の中小製造業に課せられた使命と考えます。