EVシフトで懸念される中小製造業の受注減対策は?EVビジネスをモノにする方法とは?
従来から自動車用部品の受注生産を行っている企業は、自動車部品以外でも、電動化や脱炭素化の動きが広がっており、新たなビジネス機会が生まれています。以下は、自動車以外のモビリティにおける電動化動向と事業機会についての詳細です。
1. 航空機
現在、航空機の電動化技術は確立しているものは少ないですが、燃料電池や水素ガスタービンを軸にした電動化の議論が活発化しています。今後、小型機から大型機、難度の低い技術から高い技術へと適用範囲が拡大していく見込みです。
2. 船舶
小型レジャー向けボートを中心に完全電動推進システムの導入が始まっています。技術的課題から一部の小型のレジャーボートや運河および湾内向け観光船での採用にとどまっていますが、今後はより速度や航続距離が求められるレジャーボートや湾外向け観光船、内航貨物船などへの採用も想定されています。
3. 自動二輪車
バッテリー交換式電動二輪車への注目が高まっています。標準化・仲間づくりとバッテリー交換ステーション設置場所の陣取りが、グローバルで迅速に進めることが重要です。
これらの分野において、電動化技術を用いた事業は黎明期であり、自動車部品メーカーにとっても参入の好機です。積極的な情報収集と既存プレイヤーへの接触が事業開発に向けて重要と考えられます。
次に中小製造業においては、部品の受注加工生産を行っている企業が多く、なかなか新しいビジネスにチャレンジすることはハードルが高いと思われますが、以下をヒントに新たなビジネスにチャレンジしていくことも重要と思われます。
1.新たな産業分野への進出
自動車や家電、医療器以外の産業分野に目を向けてみましょう。例えば、再生可能エネルギー、ロボティクス、バイオテクノロジー、スマートホームデバイスなどが成長分野として注目されています。これらの分野で需要が高まっている部品の受注を狙ってみてください。
2. 新技術の活用
3Dプリンティング、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)などの新技術を活用して、部品の設計や製造プロセスを改善しましょう。これにより、他社と差別化された部品を提供できる可能性が高まります。
3. 顧客ニーズの調査
顧客のニーズを理解するために、市場調査や顧客インタビューを実施してみてください。どの産業分野でどのような部品が求められているかを把握し、それに合った受注を狙いましょう。
4. 協力企業との連携
他の中小企業やスタートアップと連携して新たなビジネスチャンスを探りましょう。協力企業とのパートナーシップを築り、共同で新しい部品の受注を得ることができるかもしれません。
5.自社技術のアピール
自社の得意技術や特許をアピールすることで、他社との差別化を図りましょう。技術的な強みを持つ部品の受注を狙うことができます。
中小製造業がこれらのアプローチを組み合わせて新たな市場に進出し、受注拡大を実現することができるでしょう。