色欲に駆られる

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

昨日、朝イチで美容整形を扱っていました。

 「美しくなりたい」という欲求を考えてみると、これは仏教用語でいうところの色欲になります。
 また、マズローの欲求5段階説に当てはめると、生理的欲求の一つと考える事ができます。

(マズローの欲求5段階説)
 人間の欲求は「生理的欲求」、「安全欲求」、「社会的欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」の五段階に分けることができ、それぞれの欲求が積み重なって1つのピラミッドを構成しています。 最下層の「生理的欲求」から、一段ずつ欲求を満たしていくことで、最終的には最高位の「自己実現」に向かっていくという理論になっています。
(生理的欲求や安全欲求など低次の欲求が満たされると、一段階上の欲求が高まり、その欲求を満たすための行動を起こすようになるということです。)
 
 
 これらのことから、生につながる根本的な欲求の一つがこの「美しくなりたい」という欲求だと考える事ができます。

 情報過多の時代、ストレス社会、多様性の時代を鑑みると、若者が「美しくなりたい」という欲求を満たそうとする気持ちもよく分かります。

 裏返すと、若者の中にこの欲求が多いことは、それだけ、低次欲求が満たされていない現状を私たちが作っているという事になります。

 これは、若者が、夢を持ち、自己実現したくなる世の中にしていない、私たち大人の責任と考えることができます。

 子どもたちに夢を語っているでしょうか?
 夢に向かって生きているでしょうか?
 子どもに夢に憧れる生き方を示しているでしょうか?
 
 現実に振り回されていると、短期的な視野で物事を判断する事が増え、長期的な視野に立った「夢」を語ることも、生きることもしにくくなります。

そして、自己実現に向かうために日頃から、

 子どもに
 「愛しているよ。」「好きだよ。」
 「いつもそばにいてあなたを見守っているよ。」
 「一緒にいるから安心していいよ。」
 「あなたは素晴らしい。」 

 などの声をかけているだろうか?
  
 子どもと接しながら、

 不安を抱えていないだろうか?
 自信をなくしていないだろうか?

と子どもの心の中を探っているだろうか?

と疑問が湧き上がってきました。

 低次欲求を満たし、子どもたちに「安全欲求」や「社会的欲求」、「承認欲求」を与える家庭生活を送ることが、子どもの成長につながります。

 低次欲求に振り回されない家庭生活を築く事が前提にあると思いました。

そして、
 子どもが、
 「そんなこと気にしないよ。私は大丈夫。」
 と語った時、夢を語る子どもになっているのだろうと思いました。

 番組を見ながら、「美しくなりたい。」を扱わなければならない現代社会における家庭生活に不安が募ってきました。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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