自分の考えに引き込む事の功罪

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 話し合いをしているとき、質問される方がいます。
話し合いを通して、お互いの理解を深め、新た考えに発展させつもりでいても、質問をしてどうも自分の考えに導こうとしているのではないかと思う事が、最近多くなった気がしています。

 きっと、近年自己主張が強くなった人が増えてきた事が、その原因ではないかと思います。
 
 誰もが、自分を生かしたいと考えていると思います。
そして、話し合いの結果が、自分の考えに合えば、自分の考えが生かされたと思い、心の安定につながります。
 自分の考えは、ニューロロジカルレベル(環境→行動→能力→信念価値観→自己認識)から考えると、信念価値観レベルになり、自己認識に近いレベルになり、心の深いところと繋がっています。
 ですから、否定されたくないとの思いが働きやすくなります。

 自分を生かしたいとの思いが強すぎると、話し合いの内容を誤解したり、歪曲したりする事につながることもあります。

 また、引き込む事ができれば、優越感を味わう事ができますが、引き込む事ができなければ落胆し、居心地が悪くなります。口惜しさを感じる事もあるかもしれません。
 まるでジェットコースターに乗っているようなものです。浮き沈みが激しい状態になります。

 そして、自分の考えに引き込もうとしている時は、綱引きをしているため、勝つための知恵を働かせることはできても、新しい考えを生み出す力にはなりません。

 新しい考えを生み出すためには、一旦、自分の考えを脇に置き、相手の主張を受け入れる事が、新たな考えを生み出す事になります。
 
 違和感を感じながらも、受け入れると、脳は、自分を生かそうと必死で働きます。

 この時は、両者を生かそうとしているため、居心地の悪さはありません。
違う考えとの距離を近づけようとする方向が生まれてきます。

 そして、この取り組みの中で、両方を生かす新たな考えが、ふっと湧いてくる感じで生まれます。

 この時の充実感はたまりません。

 新しい発見をしたかのような思いが沸々と湧き上がってきます。
(違いを受け入れられた瞬間です。)


 違和感を感じながらも、受け入れようとする努力は、話し合いの場だけには収まりません。

 違いを受け入れる姿勢そのものが、生き方になります。

多様性の時代に合った生き方が、まさにこの努力だと思います。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

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