引き継ぎで大切にしたい事

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 最近、物事を整理するのにニューロロジカルレベルが役立つと強く感じるように思っています。

 先日、ある団体長から、
「『そんな仕事があるとは聞いていない。そんな仕事をするのならば、役を辞退させてもらう。』と言われて困っています。」
との相談を受けました。

 役を辞められては、組織が成り立ちません。かといって頼みたい仕事をしてもらわなければ、組織として動く事はできません。
 
なぜ、このような事が起きるのかをニューロロジカルレベルで整理してみると、

(ニューロロジカルレベル)
レベル1:環境
レベル2:行動
レベル3:能力
レベル4:価値観
レベル5:自己認識(セルフイメージ)

役を引き受けた方が、レベル2(行動)=レベル5(役割)と理解しているためにこのような事が起きている事が分かります。
 役には役なりの目的があり、役割を果たすためには、レベル4やレベル3が必要になります。
 どんな考えをもち、どのような能力を使ってどのように行動する事が望ましいかを整理して取り組まないと役わりを果たす事ができません。

 例えば、会計ならば、お金の出し入れについてや必要な書類作りなど事務的な内容の引き継ぎが多いと思います。
 これらはレベル2になります。
 いろいろな役割の引き継ぎでも、このような引き継ぎになる事が多いように思います。
 だからと言ってこの内容が全てだと考えるところに問題があります。

 実は、その役を通して、レベル4やレベル3を磨き、自分を高めていく絶好の機会になっているのです。

 せっかく役になったにも関わらず、まるで機械のように与えられた事を与えられたように正確にこなすだけでは、とてももったいないように思います。

 よく「役が人を育てる」といいますが、正にそのことが、ニューロロジカルレベルで整理してみると見えてきます。

 役として時間を費やすのですから、こなす仕事にするのではなく、自分を生かす仕事にした方がやり甲斐を感じたり、意欲をもって取り組めたりして、楽しむ事ができます。

 仕方なしに引き受けた仕事であっても、自分の姿勢次第で楽しくなったり、辛くなったりどのようにでもなります。
 
 これは役だけではなく、どのような仕事にも当てはまります。

仕事(レベル2)の裏には、その仕事ができる能力(レベル3)や仕事に対する価値観(レベル4)が隠れています。
 それを意識する事で、仕事を通して自分を生かすことができるという事が分かります。

 ・この仕事を通して、こんな力が伸びた。
 ・この仕事をしたおかげで、こんな見方考え方ができるようになった。

 本当は、引き継ぎのときに、このことを伝える事が重要だと思います。

 引き継いだ方も、そんな事があるのならば、頑張ってみようかなという気持ちも持てるように思います。

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須田敏男
専門家

須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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