耐力を身につける

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 自治会加入者が減り、自治会運営ができなくなっている地域が広がっています。
 自治会に入らない理由として、
・近所の人との付き合いが面倒だ。
・会費をとられたくない。
・夏祭りなど行事の参加でプライベートの時間を奪われるのが嫌だ。
・伝統ばかりで、このご時世に合った活動をしていない。
・入っていてもあまり意味がない。
との考えを聞きます。

 これらの考えの根底に
 「今の自分が、この先、10年、20年も続く」
との錯覚があるように思います。

 自力で何でもできると思っている今の状態から見れば、これらの理由が、自治会加入者のデメリットとなります。

自治会に入らず、
 「束縛されることなく、自由に過ごしたい。」
 「自分の事は自分で責任を取ればいい。」
と、考えるのは当然かもしれません。

 またこれは、制約があり、思い通りにならない現実社会があるため、せめて家庭生活くらい自由に生きたいとの強い願いがあるようにも思います。

 ただ、現実だけを考えて生きることには限界があります。将来への不安を残すことになります。10年、20年先を見越して今の自分を鍛えておく必要があります。

 そこには、何が起きてもびくともしない耐力が必要です。

 被災に合った方々は、復興が終わるまで、家庭生活がかなり制限を受けることになります。
 これに耐えられる力がなければ、心が折れ、ストレス過多となり病気になる事も容易に考える事ができます。
 また、地域を離れることを選択した場合でも、0からの出発となり、これもまた、大きなリスクを負うことになります。これにも耐力が必要です。

 日頃から強靭な耐力を鍛えておく事は、災害に遭わなくても、高齢になり、人に頼らざるを得なくなった時にでも必要になります。

 これに役立つのが、自治会活動だと思います。

先に述べた自治会に入らない理由は、全て耐力をつけるためのよい理由になります。

・近所の人との付き合いが面倒だ。
→人との関わりを広げる機会になります。(人間関係の耐力)

・会費をとられたくない。
→会費を工面する事で、会費を払える経済力を身につける機会になります。(経済的な耐力)

・夏祭りなど行事の参加でプライベートの時間を奪われるのが嫌だ。
→時間の使い方に柔軟性をもち、奪われるのではなく、活用する機会に変えられます。(時間的な耐力)

・伝統ばかりで、このご時世に合った活動をしていない。
→活動を受け入れたり、創造したりする機会になります。(活動内容への耐力)

・入っていてもあまり意味がない。
→意味付けの柔軟性を身につける機会になります(意味付けの耐力)

長期的な視点から、現実を眺めてみると、マイナスと捉えていることでも、プラスと捉えることができます。

 自治会費についても、安心安全に家庭生活・地域生活を送るための保険料と考えれば、決して無駄ではありません。

 現代社会に生きている人々の現状を見ていると、耐力が弱っている人が、多くなっているように思います。

 ストレス社会と言われますが、ストレスは刺激に対する反応として、自分の内面で起きていることです。捉え方一つでストレスを感じたり、感じなかったりします。耐力が弱っていれば、当然ストレス過多になります。

 耐力を身につける事は決して無駄にはなりません。

 地域の人とのつながりが強くなれば、耐力を一人で鍛える事にはならず、支えてもらいながら、耐力をつける事もできます。

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須田敏男
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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

あすなろ教室

 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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