穴の開いた器に水を溜める
NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 「ジブリと宮崎駿の2399日」を観ました。
その中で、高畑勲 (パク)さんとの関係性に惹かれました。
出来上がった作品を見て楽しんでいる私たちですが、その制作の裏にある人間模様まで知る事はありません。
今回の番組の中で、1つの作品を仕上げる時に妥協を許さないパクさんの存在が宮崎さんにとってとても大きなものであった事がわかりました。
私たちの日常生活おいても、一緒に一つの作品(事業)をする事があります。
その時、自分の主張と異なる主張と出会うとぶつかることは、日常茶飯事だと思います。
それによって人間関係を壊してしまうことも多いのではないでしょうか。
先日も、パネルを作成する時に何度も修正をお願いすると、「もうこれ以上できません。」との言葉を発して、諦めようとする姿に出会いました。
まさに、宮崎駿さんと高畑勲さんと同じ状況です。
宮崎駿さんは、ある雑誌の中で「けんかはしましたけど、けんか別れはしなかった。」と述べています。既に亡くなっているパクさんが、常に宮崎駿さんの心の中にいます。
私たちの中にも同様に、諦めてしまう自分と諦めさせない自分がいるように思います。
そして、その選択の中で、生きているように思います。
その選択を迫られた時に、自分を揺り動かす意思こそが本来の自分のように思います。
宮崎駿さんは、「選択」と「意思」を持って制作に向き合っているように思いました。
この存在に気づかせてくれるのは、他人かもしれません。でも、確実にその両者は、自分の中に生きているように思います。
引き出してもらった以上これと向き合わないわけにはいきません。
諦めてしまう自分だけが自分ではありません。必ず、諦めさせない自分もいます。それに気づいていないために、他の主張として拒んでしまうのかもしれません。
パネルの作成を諦めかけていた方が、再挑戦して、作品を完成させた姿を見て、その裏に「選択」と「意思」を発見し、嬉しくなりました。