自己否定される事は1つもない

須田敏男

須田敏男

テーマ:メンタルヘルス

 久しぶりにカウンセリングセッションをしました。

 自己肯定感が低いと、
 「だから、私は、ダメなんだ。」
 「これも、ダメな私だから、こうなるんだ。」
などと、目の前に現れる出来事を全て、自己否定と繋げてしまいます。

 繋げたくて、繋げるわけではないのですが、脳は物事を単純にする働き(一般化しやすい傾向)があるので、「私=ダメ人間」となると、それに当てはめようと自動的に脳が働いてしまいます。

 自分が決めているわけではなく、過去に、「私=ダメ人間」となると、怒られたとか、失敗をしたという体験を繰り返したとか、強烈な印象が残っているために、「私=ダメ人間」と思い込むようになっただけです。
その思い込みが、自動的に働いているだけです。


 そこで、過去を遡り、これまでに歩んできた自分を振り返っていくと、へこたれる事なく頑張ってきた自分を見つけ出す事ができます。ダメな自分だけでなく、頑張った自分を発見する事ができるのです。

 「私=ダメ人間」ではなく、「私=へこたれず頑張る自分」という例外を発見する事ができ、「私=ダメ人間」の思い込みが崩れていきます。

 ところが、この事実を掴んでも、
「もっと早く、取り組めば、こんなに苦しまずに済んだ。」
と、過去の自分を否定しまうと、
 「私=ダメ人間」を続ける事になってしまいます。

 こんな時は、人生を山登りに例えて、話をします。
「常に頂上を目指して登り続けているのが、私たち人間です。どんな道を選ぶかは、自分次第ですが、途中で休んだり、転んでけがをしたりしながらも登り続けます。
 休憩やけがは、その後の山登りの知恵や力になります。今は、休んで、知恵や力を身につける機会だと思います。
 そして、辛くなったり、けがをしなければ、知恵や力をつける機会は生まれなかったと思います。
 どの場面でも私たちは、一生懸命に生きています。その時々にできる精一杯の知恵や力を出して山登りを続けています。
 私たちの人生も同じです。失敗することも、成功することもあります。でも、その時々の自分は、常に精一杯取り組んでいます。
 今は休憩している時間と考える事ができます。
 どうですか。その時々を一生懸命に生きてきた自分がいますよね。
 これも全て大事な自分です。
 まだ、今は山登りの途中です。ここまで登ってきた自分を愛おしいと思いませんか。辛いからといって山登りをやめたわけではなく、それでも登り続けている自分です。そんな素敵な自分です。愛おしいと思いませんか。」

 自分の過去を否定するのではなく、今につながる大事な過去と受け止めると、明日を前向きに生きようとする意欲が湧き上がってきます。
 その時々を精一杯生きているのが、私たち一人一人だと思います。
 否定される事は一つもありません。全てが血や肉となって、働いてくれています。
 どの時点にも愛おしい自分がいます。

 自己否定するなんて、もったいないと思います。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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