苦は避けられない

須田敏男

須田敏男

テーマ:生き方

 子どもたちによく話す「動物の脳」と「人間の脳」は、日々の生活向上に大いに役立つと思っています。

 (私は、脳を三重構造(①脳幹、②大脳辺縁系、③大脳新皮質)で考えています。

①脳幹は「爬虫類の脳」と考え、「自己生存のため」に働きます。

② 大脳辺縁系は「動物の脳」と考え、愛情、喜び、怒り、嫌悪などの感情を働かせます。

③ 大脳新皮質は「人間の脳」と考え、言語、抽象思考、想像、将来計画、倫理などを働かせます。)

 よい習慣を身につけようとしたり、よさを伸ばそうとする時をイメージするとよくわかります。
 
 最初に動き出すのは、人間の脳です。
「よい習慣を身につけよう」とか、「よさを伸ばそう」と思います。
そして、
 それを行動に移そうとすると感情が湧き上がってきます。これが動物の脳です。

 続けていると、さまざまな思考が働き、やる気が増したり、続ける事に嫌気が刺したり、感情が動きます。
 動物の脳が働いています。

 そして、続けていると飽きてくる事があります。
その時、続けるかやめるか、判断を迫られる事があります。

この判断を下すのが、脳の働きになります。

 私たちの脳は、人間の脳と動物の脳が、関わり合いながら、自分を成長させてくれます。
そして、私たちは、常に選択を迫られて生きています。
「続けるか、やめるか」「するか、しないか」どちらかを選ぶ時の判断がとても重要だと思っています。

 好きか嫌いか、楽か苦しいか、楽しいかつまらないかなど、感情に動かされている時は、感情が優位になっているので、動物の脳が働いていると考える事ができます。

 よいか悪いか、ためになるかならないか、役に立つか立たないかなど自分の考え方に動かされている時は、思考が優位になっているので、人間の脳が働いていると考える事ができます。

 動物の脳が働いている時は、感情的で,かなり刹那的になり、視野が狭くなって考える事が多いように思います。
 逆に人間の脳が働いている時は、冷静で、視野が広くなり、長期的視野に立って考える事が多いように思います。

 例
 ピアノが好きでよくピアノを弾いた子が、ピアノのレッスンを毎週受けていましたが、中学生になり、勉強にかける時間が増えたため、ピアノのレッスンをやめる事になりました。

 ピアノのレッスンにかける時間を削ると判断する時、動物の脳が優位に働くか、人間の脳が優位に働くかによって異なってきます。

 「楽をしたいからレッスンをやめる。」と判断するのが、動物の脳の働きになります。

 「勉強にかける時間を増やすためにやめる。」と判断するのが、人間の脳の働きになります。

 どちらもやめる事には変わりがありませんが、やめた後の姿勢が違います。

 よく負担が増えるからと負担を避ける姿を見かける事が多くなってきました。

 そして、その判断が、動物の脳を使った判断が多いように思えてなりません。

 よりよく生きるために人間の脳は働きます。

ただし、この人間の脳を働かせる事は、楽な方向ではありません。どちらかというと苦しいとか辛いことを選択する方向が多いように思います。

 乗り越えた時に成長すると考えた方が妥当かもしれません。

 成長するためには、苦を避けて通れないようになっているようです。

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須田敏男(メンタルヘルスサポーター)

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 最新の脳科学をベースにした「NLP心理学」を生かし、家庭への支援から働く人への支援と支援の範囲を広げ、悩みを持つ人の相談活動や企業向けの研修などにも幅広く対応。

須田敏男プロはぎふチャンが厳正なる審査をした登録専門家です

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