不安やストレスを減らし、自信をつける環境は、自らが作る?
NHKクローズアップ現代 職場の死をなくすには 〜働き方改革の“ひずみ”〜では、働き方改革をしても、心を病む人が増えてきているとの報道がありました。
長時間労働が心に大きな影響を与える事はありますが、全ての人がそのために病気になるわけではありません。
私自身、ブラック企業と言われる教職の道を長く勤めました。
その長い生活の中で、理不尽な時間を過ごし、長時間勤務を過ごした時期もありました。
それを乗り越えられたのは、強い意志があったように思いました。
例えば、
「こんな事で、へこたれる自分ではない。」
「子どものためなら、乗り越えられる。」
「同じ状況で頑張る仲間がいる。」
などの思いが、支えとなっていたように思います。
心の問題を時間と結びつけるのではなく、心の状態を問題にしない限り、この状況は変えられないように思います。
「働き方」ではなく、「働き甲斐」が解決の鍵になるように思います。
私は、父の介護をしています。いわゆる老老介護になります。
親の介護に負担を感じる人も多いと思います。
介護を始めた時には、「介護は、自分の生き方が試される機会」と前向きにとらえて始めました。
父の介護のために実家に泊まり始めて、1年半になります。
この間、父の症状は、次第に悪化しています。それに合わせてこちらの対応も変わってきています。
最近は、妄想が増えてきました。
今朝も、夜中の1時半頃にベットから起き上がり廊下に出て伝え歩きをしていました。
気配を感じて起き、
「何しているの?」
と尋ねましたが、自分でもよくわからないようで、
「ぼけたな。もう年だな。」
と96歳の父が不安そうな顔で言いました。
ベットに案内しながら、
「そうだね。そのために、僕がそばで寝ているんだ。安心して。」
と、伝えました。
「そうか。」
と、ちょっと笑顔をうかべ、父は横になりました。
父の介護については、ほとんど負担感がなく、毎日過ごしています。
もちろん影で妻が支えてくれているからできるのですが、今の心の状態は、バランスのよい状態なのだろうと思います。
バランスとは、「利己心」と「利他心」のバランスです。
誰の中にもある「自分がしたい事を優先させる自分」(利己心)と「人のために尽くす事を優先させる自分」(利他心)のバランスになります。
利己心
介護にかける時間をやりたい趣味に使いたい。
父とではなく、妻と一緒に寝たい。
今、抱えている問題解決の時間に充てたい。 など
利他心
1人で生活できない父を助けたい
私を育ててくれた父への最後の親孝行をしたい
尽くす事を自分の成長に役立てたい など
この両者の葛藤の中で生きています。
ただ今は、その葛藤もなく、何も感じることなく、当たり前の事として淡々と介護をしています。
だからこそ、父へ安心を与える言葉が、何の気負いもなく、自然に出てきたのだろうと思います。
言葉を発した後、
「そうだ。私は父を守っているんだ。」
と、思いました。
安心安全を提供する存在としての自分・・・・バランスがとれ、何でも受け入れられる状態
いい仕事をしているという感じもありません。刺々しさもありません。とても穏やかな状態だけがあります。
ただただ出来事に的確に対応ができている状態になっているように思います。
こんな状態が、介護だけでなく、あらゆる場面で現れたら、素敵だろうなと思いました。
介護が、自分を成長させるよい機会になっていると思っています。
仕事を負担にするのも自分です。遣り甲斐にするのも自分です。
どんな状況であっても、責任を他に負わせているとストレスは、消えません。
我慢して、黙って、受け入れているだけでなく、意志をもって課題解決に当たる必要があります。
働き方改革でひずみを感じているのであれば、自ら改革する意志が必要だと思います。
孫正義さんが、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」の中で、
「ストレス解消は、問題事から逃げることによって解決してはならんというんです。僕のストレス解消法というのは、何か問題があったらそれを忘れるために酒を飲むとかゴルフをやるとかいうんじゃなくて、それをとことん考え抜いて、考え抜いて、解決策を見いだして実行に移す、そうすると、もやもやがスカッと晴れるわけですね。やはり、問題から逃げてはならないよということをいいます。」(脳みそがちぎれるほど考えろ)
と語っています。
その通りだと私も思います。
誰かが、会社が、行政が、何かをしてくれると、耐えていても何も変わりません。自ら動き出すから、周りが変わります。
自殺された方々は、命を差し出してこの問題を訴えたのだと思います。
このままでいいのでしょうか?
何ができるのでしょう?