「苦」と上手く付き合う
慣れ親しんだやり方をする事は、安心してできます。
そのやり方を変えて新たなやり方は、結果がどのようになるかわからず、不安を感じます。また、それに加えて、これまでのやり方に慣れた自分からの抵抗を受けます。
「子育てによい。」と言われたからといって、すぐにできるようにならず、3日坊主になるのは、そのためです。
ただし、その時の強い衝撃があると、やり方の変更がうまくいく事があります。
悪い例になりますが、児童虐待もその1つと考える事ができます。
思い余って、初めて手を出した時、
「しまった。これはよくなかった。」と止める自分があれば、虐待には至りませんが、
「これはいい。この程度ならば大丈夫だ。」と受け入れる自分があると、止める事ができません。
例えば、手を出すことが、感情を吐き出すスッキリした経験になれば、子育てに悪いとわかっていても手を出してしまいます。
また、叱ることも褒めることも、自分が親から日常的に経験した叱り方、褒め方が一番慣れたやり方になり、親から学んだ躾け方を子どもにする事が多くなります。
このことから考えると、親から日常的に暴力を受けていれば、それが子育ての役に立つと無意識的に受け入れてしまいます。
この場合は、暴力に対する抵抗が少なく、日常化しやすくなります。
子育てに、よいことでも、悪いことでも、慣れ親しんでいるやり方を無意識のうちにやってしまっているのが、私たちの子育てです。
そこで、強い衝撃によって、子育てのやり方を一変させるやり方に挑戦してみようと思いました。
元々子育ては、一人一人異なるため、その子に合った子育てをしようと思えば、試行錯誤するしかありません。
このことからも、一か八かやってみることも大事なことです。当たればラッキーと思えば、気持ちも楽になります。
よくある事ですが、叱りたくなった時、顔つきが厳しくなり、声も大きくなり、口調も荒くなってしまいます。
そこで、「叱ろうと思った時に、笑顔で対応してみる」に挑んでみました。
怖い顔とは真逆の顔を作ることになります。
不思議な事に、笑顔にしただけなのに厳しい言葉がけができなくなり、子どもが喜ぶ事を考えたくなりました。
集中していなくても、姿勢がわるくても、それを受け入れて、こちらの意図が伝えようと必死になっている自分がいました。まるで、営業マンになって、クライアントと面談している感じです。
すると、子どもの対応も変わり、逃げる事なく、こちらの提案に乗っかってくるようになりました。
特別な手法を使った訳ではなく、ただ笑顔だけを意識しました。
真逆の顔を作るという衝撃的な対応が、変化を作り出したように思います。
子どもに意図が伝わるかどうかはわかりませんが、笑顔に反応している子どもが目の前にいます。
これは大きな衝撃でした。
この時、これまで、いかに多くの「上から目線で」で子どもに押し付けてきたのだろうと、申し訳ない気持ちで一杯になりました。
笑顔が、新しい子育て(叱る時) の武器になりました。