折り合いをつける
孫が、遊びに来ましたが、生憎、仕事中で、遊び相手ができませんでした。
孫は、つまらなそうでしたが、近くで読書を始めました。
一冊読み終わると、近づいてきて、
「何しているの?」
と、仕事の内容を聞きに来ました。
それで、孫にわかるように説明しました。納得したようで、また読書をし始めました。
しばらくして、今度は、
「もう終わる?」
と、聞きに来ました。
一緒に遊びたい気持ちがありありと伝わって来ました。
いくつかしなければならない仕事があったのですが、
「もう直ぐ終わるよ。」
と、区切りをつけて、一仕事を終えることにしました。
しばらくしてから、孫に、
「短い時間だけど、一緒に遊ぼうか?」
と、声をかけました。
そして、しばらく一緒に野球ゲームをして遊びました。少しでも満足できるように孫に点数が入るように手加減をしたり、アウトになるよう空振りしたり、点を取り試合が競って面白くなるようにしたりといろいろ工夫しながら、短い時間ですが、楽しみました。
延長戦をしたがっていましたが、
「ごめんね。次の仕事があるから、この回が終わったらおしまいだよ。」
と、伝えました。
孫は、最後に私を三振に仕留め、満足した表情で、同点で終えることができました。
短い時間でしたが、満足したようです。大きな声で、
「またね。」
と言って、家に帰って行きました。
これは、欲求と不安が、攻めぎ合いをしているように思いました。
孫が抱えている遊びたいという欲求と仕事を終えないと困った事が起きる不安を抱える私との攻めぎ合いになります。
欲求は、満たされないと不満となり、ストレスが溜まっていきます。
ある程度までは、我慢できますが、それ以上になると爆発する事になります。他のものに置き換えて、対応することは、難しいと思いました。
これは孫の状態を当てはめる事ができます。
読書をしてある程度の時間を過ごしても、欲求を抑えたり、鎮めたりする事ができません。満たされないと、孫の動きからもわかるように、感情は持続し続けるように思います。
一方、私が抱える不安は、仕事を続ける事ができれば、少しずつ解消する事ができます。
欲求は山登りで、不安は穴埋めと似ているように思いました。
欲求は、満たされると不満は解消されます。同じように不安は、不安材料を取り除くと不安は解消されます。
不安は、空いた穴をすでにもっている力で穴を埋める事ができるように既にもっている力を使う事で解消する事ができます。一方、山登りは、すでにもっている力だけでは足りなくて、新たな力を身につけなければならない事があります。
欲求も満足させるために新たな力が必要になる事があります。
このように考えると不安の解消の方が、不満の解消よりも楽に思えて来ました。
例えば、
生活費が少ない(事実)
生活費に不安→少ない生活費のやりくりを工夫する。
生活費に不満→生活費を増やす。
人間関係作りが下手(事実)
人間関係に不安→人間関係の問題を探り、改善を目指す。
人間関係に不満→人間関係を変える(避ける、逃げるなど)
失敗が多い(事実)
失敗に不安→失敗の原因を探り、解消する。
失敗に不満→失敗を避ける、逃げる
自分の中に解決する力がある事を自覚できれば、不安は解消しやすいように思います。
不満は、新たな挑戦が必要となり、その意思があれば解消につながると思います。
孫が、何度も私のところに来たのは、欲求を満たすための挑戦だったのかもしれません。
私が孫への対応を工夫したのは、不安を解消するための努力につながったように思います。