今を生きる
自然災害の増加に伴い、防災意識が高まっている感じがします。
また、関東大震災100年、防災の日に因んだ報道番組もあり、地震への備えが進んでいるようにも感じます。
ただし、これらは、災害時に必要な自助・共助・公助のうち、自助に関する意識の高まりであって、いざという時に必要な共助については、なかなか意識の高まらないように思います。
現に消防団員数が過去最低と報道され、地域の防災力が低くなっています。
総務省消防庁は、地域の防災力を高めるためにも消防団員の確保や消防団の機能強化が必要だとして、来年度予算案の概算要求に8億6000万円を盛り込みました。
具体的には、女性や若い世代にも消防団に入ってもらおうと、火災予防の広報や大規模災害の時だけ活動する、「機能別団員」という参加のしかたがあることを周知するため、国がマニュアルを作成するとしています。
また、被災状況の確認に必要なドローンの導入を進め、研修を実施するほか、消防車両を運転できるよう、団員が免許を取得する費用を補助するなど、消防団の機能を強化する取り組みも進めていくことにしています。
消防団員だけでなく、水防団員やその他地域で活躍する、女性防火クラブ、日赤奉仕団で活躍する人が少なくなっています。
消防団員だけの問題ではありません。
共助をもっと総合的に考えないと、消防団だけを取り上げても、問題解決にはならないと思います。
働きながら、ボランティアとして活動しなければならない負担感をいかに少なくするかが重要だと思います。
これには、働き先に企業の協力が必要だと思います。
消防団員、水防団員、女性防火クラブ員、日赤奉仕団員など地域貢献をする会社員が優遇される仕組みを取り入れる企業が増えない限り、総務省のような考え方では、地域で活躍する若い人々は増えないと思います。
これには、行政だけの問題ではなく、社会全体で、地域を守り育てる姿勢が必要だと思います。
行政のサービスが過剰になり、行政と個々人とのつながりが強くなり、間にあるはずの地域が関わる事が少なくなっているように思います。
また、企業においても、働く人と地域との関係は、個々の家庭の問題と捉えいるように思います。
地域貢献をしている企業でも、会社が立地している地域への貢献であって、働く社員が生活する地域は、論外になっています。
いざという時に地域が重要だと言われますが、これも日頃からのつながりがなければ、いざという時には機能しません。
行政や企業が、働く人と働く人が住む地域とのつながりを密にする対策を考えない限り、益々地域の存在が薄くなります。
働く人が働く人が生活する地域と密着する社会になるような仕組みを社会全体で考える必要があると思います。
防災だけでなく、子育て世代であれば、子ども会活動の役員を優遇する会社や高齢者や障がい者に関心のある方であれば、社会福祉協議会の役員を優遇する会社があるときっと社会の見方も変わるように思います。